LDHが新たに仕掛ける格闘技イベント「POUND STORM(パウンド・ストーム)」が4月24日、東京・両国国技館で行われた。「格闘技×ライブ」の新たなエンターテインメントの試みを、芸能記者目線で振り返る。

この日は、ABEMA「格闘DREAMERS」で開催中の格闘家オーディションの最終審査を兼ねたチャレンジマッチをはじめ、1回目の同オーディション出身で、LDH所属の中村倫也(りんや)、宇佐美正パトリックの試合など合計10試合が行われた。

同時に、EXILE SHOKICHIをはじめ、GENERATIONS、THE RAMPAGEらLDHのアーティストがオープニングやハーフタイムショーとして、数曲をパフォーマンス。さらに選手入場では、登場曲の前にEXILE MAKIDAIや白濱亜嵐ら「PKCZ」のDJプレイに乗せて、SWAYが選手名をコール。色とりどりのライティングに照らされながら、未来を担う若手ファイターたちが決戦のケージ(金網)に向かった。

格闘技をはじめ、「スポーツ」と「音楽」の親和性が高いことは、これまでの歴史でも証明されてきている。例えば、どんなスポーツの入場曲も、そのチームや選手のイメージやアイデンティティーにつながりやすく、また特にプロスポーツでは、広く「エンターテインメント」として選手もファンもテンションが高くなるという意味では、相乗効果はやはりあると感じた。

この日の会場には多くの格闘技ファンも訪れていたが、普段はアーティストを応援する若い世代の女性ファンも多い印象だった。「格闘技」のイベントであれば、それが“メイン”になることがもちろん一番だろう。それでも、お互いのファンが、今まで縁がありそうでなかった空気に触れることで生まれる“相乗効果”が今後、もっと増えていくといいと感じた。

この日の試合で判定勝ちした中村は、1Rで相手フックによって右目上をカットしてしまい流血。その模様が大画面にも映ると、悲鳴にも近い声もあった。しかし、流血しながら相手に立ち向かっていく中村の姿に、「やっぱり格闘家ってすごいね!」と言い合っているファンの会話も聞いた。中村は試合後「あの出血量でしたから…」と苦笑いしつつも「それでもやっているすごさは見せられたと思います」と話した。これこそが「POUND STORM」の魅力であり、今後の可能性にもなるのだと、一芸能記者は感じた。【大友陽平】