俳優坂口健太郎(30)と女優杏(36)が、7月期のフジテレビ系連続ドラマ「競争の番人」(月曜午後9時)でダブル主演することが15日、分かった。

2人の共演は16年の映画「オケ老人!」以来6年ぶり、ドラマでは初となる。地上波連ドラ主演は坂口は19年1月期の日本テレビ系「イノセンス 冤罪弁護士」以来3年半ぶり、杏は19年7月期の日本テレビ系「偽装不倫」以来3年ぶり。フジテレビの月曜午後9時「月9」主演は坂口は初、杏は15年1月期の「デート~恋とはどんなものかしら~」以来7年半ぶり。

原作は同局で現在放送中の「元彼の遺言状」の原作者で、同作で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した新川帆立氏(31)の同名小説。2クール連続で月9の原作担当となる。

ドラマの舞台は公正取引委員会。坂口は20歳で司法試験合格、東大法学部首席卒業の天才で理屈っぽくひねくれ者の小勝負勉(こしょうぶつとむ)、杏は実直で感情のままに行動する元刑事の白熊楓(かえで)を演じる。2人は公正取引委員会・第六審査、通称ダイロクに職員として務める。独占禁止法に関わる違反行為を取り締まり、経済活動における自由で公正な競争の場を守るために目を光らせる「競争の番人」として、談合やカルテルなど不正をあぶり出していく。

坂口は「身が引き締まるというのはどの作品も同じなのですが“月9枠で杏さんとダブル主演”というのは、もう一段上の気合が入った感じがします。公正取引委員会というのは弱小官庁なんです。僕自身、時には『戦わずに負けてもよい』と思うことがあります。そんな中で、小勝負の『弱くても、戦わなきゃいけない』というセリフが僕は好きなんです。まだまだ鬱屈(うっくつ)とした世の中で、次の日のちょっとした活力やパワーにしていただけたらと思います」。

杏は「フジテレビのスタジオに帰ってくるのも本当に7年ぶりでしたので、社会情勢もこの7年でガラッと変わった中で、また月9というエンターテインメントを届ける枠に戻ってくることができたのはすごくうれしいし、演じる意義みたいなものを感じています。坂口さんとは映画での共演はありましたが、タッグを組むようなお芝居をするという意味では初めてです。年齢も近いので、考え方などにギャップを感じることもなく、一緒に演じるのは楽しいですね」と話している。

新川氏は「原作は“令和版『HERO』”のイメージで『Can You Keep A Secret?』を聴きながら書いたため、月9ドラマ化が実現してとてもうれしいです。競争を守り支える公正取引委員会の取り組みが、より広く知られるきっかけになればいいなと思います。坂口健太郎さん、杏さんがどのようなコンビとして活躍してくれるか楽しみにしています」とメッセージを寄せている。

野田悠介プロデューサーは「聞いたことがあるけど、何をしているのかまではあまり知られていない公正取引委員会。新川先生の原作を読んだ時、立場の弱い人たちの背中をそっと押す、応援歌としてのメッセージも感じました。ドラマ史上初めての公正取引委員会を舞台にしたエンタメ・ミステリーを、ぜひお楽しみに」と話している。