映像作品に引っ張りだこの田中圭(38)は、この15年、ほぼ年1回のペースで舞台出演を続けている。田中主演、放送作家鈴木おさむ氏(50)作・演出で、昨年8月に上演した舞台「もしも命が描けたら」が今秋DVD化。田中が、3度タッグを組む鈴木作品の魅力、多忙の中でも舞台出演を欠かさない理由を語った。

「もしも-」は、田中演じる画家志望の男が不思議な力を手に入れることから始まる物語。鈴木作品では11年「芸人交換日記」、17年「僕だってヒーローになりたかった」に主演し、その魅力を「ファンタジーの一面も持ち合わせているのに泥臭いところがあります。その役を生きていると、毎回心が震える感覚を味わえる」と話す。

一方で、毎度苦しめられるのは「ほんとに勘弁してください(笑い)と思う圧倒的なせりふ量」。短期決戦の稽古に苦労もあるが、田中にとって舞台は「修行の場」で「2時間を通して役を生きていける喜び。何度もその世界を体感できるぜいたくさがある」と、代えがたい魅力を感じている。また「どうしても日々に追われる映像作品のスケジュールだと忘れてしまいそうな気持ちを忘れないためにも、これからもやっていきたい」と意欲を語った。

今月10日に38歳の誕生日を迎えた。鈴木氏との次回作があれば「年齢が上がることを喜べる作品にできたらいいなぁとは思います。年齢を重ねるというのは本来すてきなことだと思います」。また「時代に乗りすぎず、遅れすぎず、いいあんばいで」と抱負も語り、「まずは皆さんに楽しんでもらえる作品を作ること。変わらずこれからも狙っていきたい」と意気込んだ。

 

○…田中とタッグを組んで10年以上になる鈴木氏は、毎回膨大なせりふに全力で向き合う田中に感嘆し「根性があります。自分に与えられた使命を全力で120%に仕上げる。そこがとてつもなく魅力的です!そして、人間としての危険さというか、はかなさというか、そこが田中圭にしかない魅力かな~」。年を重ねるごとに感じる田中の変化については「大人の部分と少年っぽさが乖離(かいり)してきていて、そのギャップにエモさがありますね」。田中とは今後、ミュージカルや音楽劇に挑戦したいといい「劇中田中圭が歌う。歌と膨大なせりふ。さらなる追い込みをかけて、根性を見たいです」とコメントした。

 

○…「芸人-」「僕だって-」「もしも-」が、DVDボックスとして受注販売(15日受け付け開始)されることも決まった。田中は「えーーー!! ってとても驚いてます。もちろんうれしいことですが、少し恥ずかしくもあります」と照れつつ、「全てものすごいせりふの量だったので、今度どの舞台が一番しゃべったか数えてみようと思います」と笑った。