ヘンリー王子(37)の妻メーガン妃(40)が、昨年出演した米CBSテレビのインタビュー番組で告発した「王室内で受けた人種差別発言」を巡って、発言の主は父チャールズ皇太子の妻カミラ夫人によるものであった疑惑が浮上している。

王室に関する著書を多数執筆している英国の作家トム・バウアー氏による新たな暴露本「リベンジ(復讐):メーガン、ハリー、そしてウィンザー家間の戦争」が21日に英国で出版され、米ニューヨーク・ポスト紙が同書の抜粋を元に将来生まれてくるであろう夫妻の子供の髪形に関してカミラ夫人が人種差別的な発言をしたと報じた。

 

同紙によると、問題の発言があったのは妃との交際が公になった後にヘンリー王子がチャールズ皇太子夫妻が暮らす邸宅クラレンス・ハウスを訪れた際に発せられたものだったという。メーガン妃の結婚後の仕事や警備についてなど真面目な内容とジョークを交えた話し合いの中で、「メーガン妃は結婚後も仕事を続けるべき」「恋人であるメーガン妃のために24時間体制の警護費用を負担することはできない」ことなどが伝えられたといい、最後は将来生まれてくるであろう子供に関する話題も議論に上ったという。その際にカミラ夫人が「2人の赤ちゃんが赤毛のアフロヘアだったら面白いわね」と冗談交じりに語ったといい、王子はジョークとしてその場では笑って受け止めていたが、後にそれを知ったメーガン妃が全く異なった反応を示したことで、王子の笑いが「怒り」へと変化したと伝えている。

王室を2020年3月末に離脱して米カリフォルニア州に移住した夫妻は昨春、人気司会者オプラ・ウィンフリーの独占インタビューに応じ、「(第1子の)アーチ-君を妊娠中に生まれてくる子供の肌の色がどのくらい濃くなるのか懸念した人がいた」と暴露し、王室に大きな衝撃を与えていた。発言の主が誰であったのか明言を避けたため、人種差別的な発言をした人物を巡ってさまざまな憶測がメディアで伝えられることとなり、後にそれは祖父母であるエリザベス女王とフィリップ殿下ではないことと否定する騒動に発展していた。王子は当時のインタビューで、会話の内容は決して共有する気はないと話し、「(聞いた時は)気まずい気分で、少しショックだった」と振り返っていた。

夫妻がインタビューで明かした内容と今回バウアー氏の著書で明かされた内容は若干異なるものの、夫妻が主張する人種差別的発言の主がカミラ夫人である可能性は高く、ヘンリー王子が今秋に出版予定の自身の回顧録の中でこの件に関してどのような発言がなされているのか注目される。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)