8日に配信がスタートする英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻の知られざる私生活が明かされるネットフリックスのドキュメンタリー番組「Harry&Meghan」の予告編で、2011年に行われた映画「ハリー・ポッターと死の秘宝:PART2」のプレミアやトランプ前大統領の元顧問弁護士を撮影するマスコミの姿など夫妻とはまったく無関係の素材が複数使われていることが分かり、物議を醸している。

1日と5日に公開された2本の予告編で、「誤解」を招きかねない方法で無関係の映像や写真を使用していると英BBCなどが指摘している。

問題となっているのは、夫妻がメディアの過熱報道に苦しむ様子を描写する場面で使用されている素材で、少なくとも3つは過熱報道を誇張するために無関係の出来事の素材が使われていることが明らかになった。真実とは異なる映像の使用は「捏造(ねつぞう)」とも取られかねないが、ネットフリックスからは現時点でこの件に関するコメントは出されていない。

1つ目は、ひしめき合う大勢のカメラマンが被写体に向けて一斉にカメラのレンズを向ける写真。これは夫妻を撮影するカメラマンではなく、英ロンドンで行われた「ハリー・ポッターと死の秘宝:PART2」のプレミアに登場したスターを撮影するプレスの様子を撮影したものであることが判明した。

2つ目は、カメラを手にしたパパラッチと思われる複数のカメラマンが映る映像で、これは英タレントのケイティ・プライスが飲酒運転で有罪判決を受けた際に裁判所前で撮影されたものであることが判明。分析の結果、映像は水平方向に反転されており、裁判所の前で撮影された同じ服を着たカメラマの写真が写真画像代理店ゲッティ・イメージで見つかっているという。

3つ目は、車を大勢の報道陣が取り囲んで撮影する様子で、これはトランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏が19年に服役するためニューヨークの自宅を出る際に撮影されたものだという。

他にもアフリカでの外遊中にメーガン妃が長男アーチー君(3)を抱いて王子と共に並んで歩く後ろ姿を捉えた写真を巡っても、予告編ではパパラッチによって不法に撮影されたかのような使われた方をしているが、実際には代表撮影だったことも発覚。この写真を撮影したカメラマンが、「あの場所から3人が撮影を許可を得て撮影し、自分はその中の1人だった」とツイートし、屋上からの撮影は隠し撮りではなく、夫妻も許可を出していたと述べ、予告編の描かれ方の矛盾を指摘している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)