吉永小百合(77)が、長崎県五島列島に自生するツバキを核に地域活性に取り組む「五島の椿プロジェクト」から生まれたスキンケア化粧品「五島の椿」の魅力を伝える活動を長崎県、五島列島から全国へと展開する。

五島の椿プロジェクトは1000万本以上、自生するツバキを核に、商品開発から消費までを循環させることで継続可能な産業と雇用を創出し、新たな地域活性のモデルケースを目指す。その裏には、100キロ離れた長崎市に進学するため、島を離れる学生と、仕事を求め、若い世代が県外に流出することによる人口減少という課題がある。出て行った若者を島に戻すには、基幹の農林水産業、観光に加え新たな産業が必要という現実と危機感がある。

吉永は、11年にプライベートで五島列島を訪れ「本当に人間が住んでいく上での、オリジナルなところ、原点という感じが致しました」と感銘を受け、翌12年も訪問。19年公開の主演映画「最高の人生の見つけ方」の撮影が長崎市で行われることが決まると、五島列島をロケ現場の1つに選ぶことを製作陣に提案し、共演の天海祐希と撮影を行った。その後、同年春に五島の椿プロジェクトのCM撮影も行い、20年2月からは“椿サポーター”としてプロジェクト全体を支えてきた。今年4月には、04年に福江中央シネマが閉館してから18年、映画館がない五島市の福江文化会館大ホールで主演映画「いのちの停車場」(成島出監督)特別上映会を開いた。

「五島の椿」は、同プロジェクトの認定パートナー企業として、島の資源であるツバキを軸とした産業と雇用を創出し、島の持続的な発展に貢献するという理念を掲げて18年に設立。古来より島に自生するヤブツバキを活用し、自社農園での栽培から収穫、製造、発送にいたるまで全てを一貫して島民の丁寧な手作業で行うサステナブルなスキンケア化粧品「五島の椿」の販売を展開してきた。

吉永は長年、公の場で化粧品については語ってこなかったが「椿酵母オイル、椿酵母のせっけん、椿の葉から生まれた保湿水、どれも初めて聞くものばかりで、とても新鮮に感じました。椿酵母を見つけて、これなら! というレベルの物づくりまで、きっと大変だったと思います」と、たたえた。その上で「原料は100%五島の椿ですし、作り手も島民たちです。少量生産で、希少ですね」と「五島の椿」の化粧品の魅力を強調した。