大みそかの「NHK紅白歌合戦」(午後7時20分)に初出場する、6人組ガールズグループIVE(アイヴ)が先月、世界最大級のK-POP音楽授賞式「MAMA AWARDS」に出席。大賞の1つ「Song of the Year」を受賞し、BTSの4連覇を阻止した。

規格外の活躍を見せる6人が、このほどスポーツ紙初となる日刊スポーツの独占取材に応じ、ウォニョン(18)は「ワールドツアーがしたい」と目標を明かした。

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「よろしくお願いします、IVEです」。10月に日本デビューを果たし、すっかりうまくなった日本語とともに6人がインタビュー部屋に入ってきた。舞台上で見せる大人びた表情とは違い、リラックスした表情だ。

同グループは、21年12月に「ELEVEN」で韓国デビュー。デビュー約1年の新人だが、今年は「MAMA-」をはじめ多くの授賞式に出席し、賞を総なめした。「MAMA-」だけでも、大賞のほか「Best New Female Artist」(女性新人賞)、「Favorite New Artist」、「Best Dance Performace Female Group」を受賞した。

リーダーのユジン(19) 「デビューして1年間で多くの愛をいただいて、授賞式に出るようになりました。舞台ごとに緊張することもありますが、いつも楽しみで、今回も舞台ごとに異なるコンセプトを準備しているので、これからも期待していただけたらいいなと思います」

数ある授賞式の中でも、「MAMA-」は”NO1”と言って良いほど大きな授賞式だ。

日本人メンバーのレイ(18) 「私たちは、幼い頃から歌手になるのが夢だったメンバーが多いです。その分、今回この授賞式に出ることができてとても光栄ですし、緊張しているんですけど一生懸命舞台も準備してきたので、楽しみにしてくれたらうれしいです」

授賞式では、Kep1er(ケプラー)、NMIXX(エンミックス)、LE SSERAFIM(ル セラフィム)、NewJeans(ニュージーンズ)との豪華コラボステージも披露した。K-POP第四世代を代表するガールズグループの貴重なコラボとなり、観客からの歓声もひときわ大きかった。

イソ(15) 「違う新人アーティストとの皆さんとコラボできるのが光栄だと思いますし、一生懸命カバー曲を用意したので楽しんでほしいです。こうやって他のアーティストのみなさんと1つの舞台に立てる貴重な機会なので、ファンのみなさんにとっても新鮮だと思いますし、楽しみにしていてほしいです」

IVEは”成長型グループ”ではなく、”完成型グループ”だ。8月に発売した3枚目のシングル「After LIKE」は、ミリオンセールスを突破。21年以降に韓国でデビューした新人グループの中で、最高販売数を記録した。

ユジン 「『After LIKE』がミリオンセラーになったという話を聞いて、本当に想像もできなかったですし、とても驚いた記憶があります。デビューから1年がたってみて、とてもいい経験をたくさんさせていただいて、ファンのみなさんにもう1度感謝を伝えたいですし、これからも楽しみにしていてほしいです」

韓国でミリオンを突破する一方、日本でも若い世代を中心に人気を集めている。10月の日本デビューシングル「ELEVEN -Japanese ver.-」は、オリコンデーリーランキングで1位を獲得。その勢いのまま紅白への初出場も決定し、先月は会見にも出席した。

ユジン 「紅白歌合戦に初めて出場することになり、記者会見に出席させていただきましたが、その時もとても緊張したんですよ。本番に向けてたくさん準備をしているので、楽しみにしてくれたらうれしいですし、年末に舞台ができてとても光栄です」

8月に初来日し、日本で初パフォーマンスを披露した。以降、何度も来日しており、ウォニョンは「神戸牛が大好きなので、神戸牛が一番おいしかったです」と、日本語でアピール。優れた楽曲にプラスして、ビジュアルも強みだ。彼女たちは、強みをどの部分だと考えているのか。

ガウル(20) 「IVEだけの特性もありますが、『ELEVEN』、『LOVE DIVE』、『After LIKE』と、すべて違うコンセプトや色を表現できていることだと思います。このように多様なコンセプトで、これからも違う魅力を見せていけたらいいなと思います」

今月1日に、デビュー1周年を迎えた。デビュー時にカメラの前で恥ずかしくなり赤面していたリズ(18)に、成長したと感じる点を聞いた。

リズ 「もうほとんど顔が赤くなることはないと思います(笑い)。1年間多くの経験をしてみて、芸能生活についてもたくさん知るようになりましたし、これからも楽しみです。もっと一生懸命できるようになると思います…(顔が少し赤くなる)」

レイ 「去年よりちょっとだけ、赤くなるのが少なくなったなっていう感じですね(笑い)」

大活躍の1年だった。そんな1年を、レイは漢字1文字で「福」と表した。

レイ 「『福』という漢字ですかね。なんでかというと、やっぱり今年はいろんなグローバルなファンのみなさんに会えたことが、すごい『福』が来たことだなと思いますし、舞台に立つこともすごい幸せなことなので、『福』という漢字1文字にしたいなって思いました」

活躍はすでに怪物級だが、デビュー1周年を迎えたばかりの新人でもある。来年の目標について、ガウルは「今年も多くの方々から愛していただきましたし、音楽も聞いていただけるようになりました。なので来年も、さまざまな活動をたくさんしながら、もっと良い姿をみせられたらと思います」と言葉に力を込めた。

新型コロナウイルスの規制が緩和されたことにより、海外での活動も活発になっている。日本のDIVE(ファンの通称)とやりたいことを問うと、先ほど少し顔を赤くしたリズが即答した。

リズ 「コンサートが一番やりたいです! 少しずつ状況が落ち着いて、海外活動も活発にできるようになったので、日本のDIVEとも一緒に楽しめたらいいと思います。(目標は?)東京ドーム!」

メンバー一同 「おー!」

リズ 「(照れ笑いしながら)目標は大きい方が良いので」

デビュー曲「ELEVEN」は、ガールズグループ歴代最短となるデビュー7日で音楽番組1位を獲得。その後の楽曲も、米国Billboardチャートにランクインするなど、デビュー時から勢いは増すばかりだ。ドイツやタイでも公演を成功させ、すでにグローバルでファンを獲得している。多くの新記録を樹立している6人は、どんな未来を描いているのか。

ユジン 「まずは、今年まだ残っている年末の舞台をしっかり締めくくりたいです。ウォニョンさんは『AAA(Asia Artist Awards)』と『2022 KBS歌謡祭』、私は『SBS歌謡大祭典』のMCをすることになったので、念願でしたし、ワクワクしています。まずは、今年をちゃんと締めくくることが目標です」

ウォニョン 「IVEだけが見せられる多彩な魅力を通して、影響力のある歌手になりたいです。これからもコンサートをしながら、多くの海外ファンと会うのが目標です。ワールドツアーをしたいですね!」

「IVE=○」という式はない。どんな楽曲にも適応し、常に新しい姿を表現してみせる。2年目の6人は、さらに勢いを増していくだろう。【佐藤勝亮】

◆IVE(アイヴ) IZ*ONE出身のリーダーのユジン、ウォニョン、そしてガウル、日本人メンバーのレイ、リズ、イソの6人で構成。21年12月1日に「ELEVEN」で、韓国デビュー。グループ名は、「I HAVE=IVE」を意味し、「私、そして私たちが持っているものを、IVEらしく堂々とした姿で見せる」という決意が込められている。