俳優の佐藤蛾次郎さん(さとう・がじろう、本名・佐藤忠和=さとう・ただかず)が10日、虚血性心不全のため都内の自宅で亡くなっていたことが分かった。78歳だった。所属事務所が12日、明らかにした。

佐藤さんが1968年(昭43)にフジテレビ系で放送されたドラマから出演を続けた「男はつらいよ」を手掛けた、山田洋次監督(91)が12日、製作・配給の松竹を通じ、コメントを発表した。

「50年以上昔、大阪で、ある作品のオーディションを行った時、時間に遅れてニヤニヤ笑いながら現れた彼の強烈な印象はいまだに忘れられない。渥美清が仁王様、その足に踏んづけられている天邪鬼が佐藤蛾次郎。このコンビ無くして、寅さんシリーズは成り立たなかっただろう。典型を生み出すという、大きな仕事を、彼は小柄な身体、ユニークな表情、愛嬌のあるガラガラ声で表現してくれた。『男はつらいよ』シリーズを支えたレギュラーメンバーがまた一人減って、寂しくなりました」

佐藤さんは、主演の渥美清さんが演じた車寅次郎の異母弟・川島雄二郎役を演じると、翌69年から松竹で製作、配給された映画「男はつらいよ」では、柴又帝釈天の寺男・源吉役で出演し、19年の最新作「はつらいよ おかえり寅さん」まで出演し続けた。