昨年大みそかに放送された「第73回NHK紅白歌合戦」の歌手別視聴率が4日、分かった。関東地区では大トリを飾った福山雅治(53)が「桜坂」を歌い終わる午後11時39分に39・5%を記録し、初の1位に。番組全体の瞬間最高視聴率とも重なった。21年にMISIAが藤井風とデュエットして記録した39・2%を0・3%上回った。

21年にトリを務めて2位だった福山と、同年大トリのMISIAの順位が入れ替わる形となった。MISIAは午後9時26分に録画で披露した「君の願いが世界を輝かす」でも4位相当の36・7%を記録しており、時間帯にかかわらず根強い人気を示した。

上位2人に加え、石川さゆり(8位)も2年連続でベスト10入り。松任谷由実、安全地帯、桑田佳祐らの特別企画、KinKi Kidsといった番組後半の午後10時台後半や同11時台に登場したアーティストが高視聴率を獲得するなか、純烈とコラボした有吉弘行とダチョウ倶楽部の「白い雲のように」が36・0%で午後9時台の歌手としてトップ。昨年5月に亡くなった上島竜兵さんをしのぶように歌う有吉の姿が大きな反響を呼んだ。多くのレギュラー番組を抱え、幅広い世代から支持を集める人気者の効果が存分に発揮された。その直後にパフォーマンスしたback number(10位)にも好影響を与えた可能性が高い。

21年は3位の鈴木雅之、4位のゆず、と午後10時台中盤の歌手が上位に食い込んだが、22年はラスト7組がトップ10入りした。番組全体として後半に視聴率が上がる傾向が強まった。数字の上でも前半や中盤にサプライズがやや“おとなしめ”であったといえる。一方で、紅組司会橋本環奈らが高評価を得たように、番組全体として飽きさせない進行、演出が後半に視聴率を押し上げる要因となったことも見逃せない。