英国のヘンリー王子(38)が、10日に発売される回顧録「スペア」の中で過去にコカインなど違法薬物を使用したと告白したことで、米国滞在が危機にさらされるかもしれないと英ミラー紙などが報じた。

王子は妻のメーガン妃と共に2020年に王室を離脱し、「自由」を求めて米カリフォルニア州に移住。しかし、17歳の時にコカインを吸引したことやマジックマッシュルームや大麻を試したことなどをスペアで明かしていると報じられたことで、ビザの発給に支障が出る可能性が浮上している。

王子は著書の中で、16年に英ロンドンでメーガン妃と初めてデートをした後、友人宅で大麻を使用して幻覚を見たことさえ赤裸々に綴っていることが明らかになり、世界に大きな衝撃を与えていた。

英国人の王子は、米国に滞在するため「配偶者ビザ」か卓越した能力を持つ者に与えられる「O-1ビザ」を取得していると見られているが、サンデー・タイムズ紙によると米入管当局は「ケースバイケース」で入国を許可しているが、「規則では現在並びに過去の麻薬使用や犯罪行為により、ビザ発給が対象外となる可能性がある」と伝えている。仮にヘンリー王子が、ビザを申請する際に過去の薬物使用歴を申告していなかった場合、ビザが取り消される可能性もあると指摘する専門家もいる。

O-1ビザの場合、3年ごとに更新する必要があり、次の更新が不利になる可能性も取り沙汰されており、自らの発言によって米国で結婚生活を継続することが困難になる可能性が出ている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)