ロシアの侵攻が始まってもうすぐ1年になるウクライナのゼレンスキー大統領が、スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の朝食会で、集まった人々を前にロシアのプーチン大統領がまだ生きているか分からないと発言し、死亡している可能性を口にしたとウクライナのメディアが報じた。ゼレンスキー大統領は18日、各国の代表者らを前にオンライン演説し、武器供給の加速や国際社会の団結を訴えていた。

ウクライナのオンラインニュースメディアPravdaが情報筋の話として伝えたところによると、「私は誰と何を話したら良いのか分からない。時々、グリーンスクリーンの前に現れるロシアの大統領が本物なのかどうか分からない。彼が生きているのか、彼が決定を下しているのか、誰かが(代わりに)決断を下しているのか、私にはよく分からない」と演説したという。

プーチン大統領の健康状態を巡っては、以前からがんとパーキンソン病が進行して重病である可能性が度々メディアを賑わせてきた。昨年12月に年末恒例となっていた大規模な記者会見を10年ぶりに取りやめ、連邦議会での伝統的な演説もキャンセルしたことも、健康不安説に拍車をかけている。

ロシアのSNSテレグラム・チャンネルにあるGeneral SVRという軍事関連サイトは、プーチン大統領は抗がん剤の副作用に苦しんでおり、ほとんど誰とも面会できない深刻な状態であると主張。また、ニューヨーク・ポスト紙も17日、薬の副作用で衰弱し、めまいを訴え、食欲も失っているとプーチン大統領の現状を伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)