俳優藤田まことさんの孫娘、歌手花リナ(かりな=24)が、9日放送のテレビ朝日系連続ドラマ「警視庁アウトサイダー」(木曜午後9時)で女優デビューを果たす。

同作は、主演の西島秀俊と濱田岳、上白石萌歌がクセの強い刑事のキャラクターを演じる話題のドラマ。花リナは、9日放送の第5話で、女性シンガー役として出演する。

花リナは9年前に1度歌手デビューも、昨年、ZARDやWANDS、倉木麻衣などを手がけてきた音楽プロデューサーの長戸大幸氏のプロデュースで音楽活動を再開した。長戸氏の助言もあって人気テレビアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマ曲で知られる小松未歩の作品をカバー。毎週木曜日にオフィシャルYouTubeを開設して配信していた。

「警視庁アウトサイダー」に出演したのは、藤田さんがきっかけだった。

西島が俳優デビューしたのが、藤田さんが主演していたテレビ朝日系「はぐれ刑事純情派」。西島は「藤田さんのことを心からリスペクトしていました」。同作でも、西島演じる主人公のスマホの待ち受け画面は、藤田さんが演じた安浦刑事だ。西島が花リナのことを知り「何とか藤田さんに恩返しをしたい」とドラマ出演を依頼したことが、今回のゲスト出演につながった。

花リナの本名は原田花りな。1998年(平10)4月1日生まれ。日本で生まれたが9歳までハワイで育つ。そのため、藤田さんも時間を見つけてはハワイを訪れ、花リナから「じーじ」と呼ばれていた。小学生の時「ドラマの中で英語のセリフがあったのですが、じーじの発音が悪くって、私が教えていました」。何と、藤田さんの英語の発音にダメ出しをしていた。

その一方「俳優でしたが歌もうまかった」と自慢する。「じーじは体が悪くて入院していた時、病院で周りの患者さんたちを集めてコンサートを開いたことがあったんです。今思うと、本当につらかったのだと思いますが、一生懸命に歌って周りの人たちを盛り上げていたんです。そんなじーじを見てカッコいいなって感動したのですが、同時に歌の力ってすごいなって思ったんです。それで、私も歌手になりたいって…」。

藤田さんの背中を見てきただけに「天国のじーじに喜んでもらえるような生き方をしたい」と目を輝かす。

花リナが演じるのは、西島演じる主人公が、長野・春蘭市のクラブで出会う女性シンガー。「緊張しました」と言うものの、そこは人気時代劇「必殺シリーズ」の中村主水役で知られる藤田さんの孫娘。いざ本番となると度胸がすわっていた。「西島さんもいたので、自然な感じで役作りができました」。

花リナは女優デビューに「思ってもなかったのですが、思いがけない機会を与えてくださいました西島さん、そしてじーじに感謝しています」と話した。