落語家の笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい)さん(本名・渡士洋=とし・ひろし)が急性大動脈解離のため、22日午前に死去した。66歳。 直前まで番組収録の仕事をこなすなど元気な様子だったというが、21日夜に自宅で倒れて救急搬送され、そのまま息を引き取った。通夜・告別式の日程は今後発表する。健康に気をつけていたという話もあり、仕事仲間らも驚く最期となった

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笑福亭笑瓶さんは、15年12月にもゴルフ場で急性大動脈解離を発症。当時の病状を「下に向かう大動脈が裂けた。手術はしなかった」などと話していた。どんな病気なのか、医学ジャーナリストの松井宏夫さんに聞いた。

大動脈は内膜、中膜、外膜の3層構造。内膜や中膜が裂け、血液が本来と違う部分に流入するのが急性大動脈解離です。胸や背中に痛みが走ったら、すぐ救急車を呼ぶなどの対応が必要です。大動脈は心臓から頭の方へ流れる上行、下へ曲がる弓部、下に向かう下行の3つの部分に分けられます。解離は、上行と弓部で起きるスタンフォードA型と、下行のB型と2つに分類され、A型は緊急手術となります。B型は手術しないで助かる可能性が高いタイプですが、その後、大動脈瘤(りゅう)などになり破裂する可能性もあり、瘤が5センチ超になれば手術が必要とされます。一般的に、定期的な検査や適切な血圧の管理などが大事です。

※東映会長の岡田裕介さん(20年)、漫画家の三浦建太郎さん(21年)、芸能文化評論家・肥留間正明さん(23年)ら、著名人でもこの病気で急逝した人は少なくない。