文化放送斎藤清人社長が14日、都内の同局で定形会見を行い、Amazonプライム・ビデオのWBC中継で実況を担当している斉藤一美アナウンサー(54)について「賛否があっていい」と話した。

斉藤アナは、文化放送の局アナの立場でアマゾンプライムのWBC実況に起用され、侍ジャパンの全試合を実況している。同局公認の“日本一やんちゃな野球中継”が持ち味だが、大会前の壮行試合などでは、隙間のないしゃべりや、「かすりもしない」などの言葉選びが批判を集め、「アマプラの実況」がトレンド入りするなど“炎上”していた。

斎藤社長は「『うるさい』『しゃべりすぎる』『選手をバカにするな』など、ラジオのアナウンサー特有の間を空けない実況から、斉藤一美特有のモノの表現まで、いろいろとお声をいただいた。お声の中にも、お叱りが多かったと承知している」。

その上で、「斉藤一美アナウンサーの実況を良くも悪くも楽しんでいただけている。地上波ではない媒体ですから、話題性を喚起しなければいけないという本人の思いもあったでしょうから、そこは温かいご批判であれば、何でも彼も受けとめると思います。50代でまだまだ成長させてもらえるのは、アナウンサーとしては非常に恵まれた環境」とした。

斉藤アナの実況に関して、スポーツ実況のレジェンド古舘伊知郎アナウンサーが自身のユーチューブで評価し、叱咤(しった)激励していることにも感謝した。古舘が斉藤アナの実況に「スキがなさすぎる。それは自信の表れだ。それでは愛されない。スキを作った自分を実況する。そこにかわいげが生まれる」とアドバイスを送ったことに触れ「斉藤一美アナウンサーは今とてもとてもいい経験をしている最中」とした。

今後も斉藤アナの侍ジャパン実況は続くが、斎藤社長は「彼くらいのキャリアがあれば、緊張を楽しむくらいの気持ちで」とエール。斉藤アナの個性について「緊張を楽しめるタイプではない。ものすごく事前に準備して調査するタイプ」とし、「事前の準備と同時に、今起こっていることを最優先にしっかり伝えることが実況生中継の醍醐味(だいごみ)と思うので、そのあたりを彼なりの話術で盛り上げてくれれば私としてもうれしい」と話した。