俳優中井貴一(61)キムラ緑子(61)、脚本家で作家内館牧子氏(74)がこのほど、リーディングドラマ「終わった人」(8月31日~9月4日、東京・草月ホールほか全国巡演)の取材会を行った。

15年に刊行された内館氏原作の小説は、これまでラジオドラマ、映画にもなっている。

仕事一筋のサラリーマンの定年後の悲哀を描いた作品。中井とキムラだけで、夫婦をはじめ、すべての登場人物を演じ分ける。中井からの熱烈ラブコールで、2人のキャスティングが決まったという。

キムラについて中井は「僕はドラマなどのお話をいただいた時『妻役はどなたがいいですか?』と聞かれると、必ず『キムラ緑子さん』と答えています。彼女はマインドを七変化できる人。声を変化させるのではなく、気持ちを瞬時に変化させられるのは彼女しかいません」と絶賛し「成功はひとえに緑子さんにかかっている」。プレッシャーをかけられたキムラが「えー、もうひどーい!」と応じる一幕もあった。

内館氏は「本当に中井さんとキムラさんが演じてくださるの? ってうれしかったですよ」と喜んでいた。

同世代を描いた作品に、中井は「そろそろ『終わりを告げられた友人』から話を聞く年代。僕たち俳優の仕事は終わるかどうかは、自分で決めるしかありません」と言うと、キムラは「私は自分でも終わってるのか、始まってるのかまったくわからない。まだもがき苦しんでます」と応じていた。

8月23日は東京・亀戸文化センターカメリアホールでプレビュー公演も。