橋本環奈(24)、上白石萌音(25)のダブルキャストで昨年大ヒットした舞台「千と千尋の神隠し」の再演が決まり、28日までに東宝から発表された。2人の続投で23年8月に名古屋・御園座、24年3月に東京・帝国劇場でそれぞれ上演される。

01年に公開された宮崎駿監督の大ヒット映画を舞台化。世界初演として昨年2月末にスタートし、全国5カ所、計102回のロングラン公演を達成した。やおよろずの神々の不思議な世界を劇場に再現した同作は、完成度の高さから上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞に輝き、話題を集めた。

また、初演のブルーレイ発売も決定した。橋本、上白石それぞれが千尋を演じた2バージョンが7月29日にリリースされる。

橋本環奈のコメントは次の通り。

-再演決定についての思いをお聞かせください

橋本 前回は「見に行きたくてもチケットが取れなかった」という声をいただいていたので、再演は純粋にうれしいです。「千と千尋の神隠し」はもともと原作の映画から“何回も見たい”と思わせる魅力があると思いますが、それが舞台にも色濃く残っていたらいいなと思いながら演じていました。毎回満員御礼の客席を感じながらお芝居をしていましたが、再びカンパニーのみんなとこの作品をお客さまにお届けできることがすごく楽しみです。御園座公演は、前回中止等で完全には実施できなった公演も多々あったので、カンパニーのみんなにとって、すごく思い入れが強いと思います。

-舞台「千と千尋の神隠し」は橋本さんにとってどんな公演でしたか

橋本 舞台は初めてだったので、毎日勉強になることばかりでした。まるで学生に戻ったような感覚で、いろんなことを学び、吸収できる楽しさを味わいました。半年以上同じメンバーと顔を合わせて、すごく濃厚な時間を過ごせたのも財産になりました。ドラマや映画でもここまで長い期間同じ役をしたことはありませんでしたが、半年以上毎日千尋と向き合っても日々発見があり、舞台ってこういうものなんだ、とさまざま気づかせてくれた作品です。「千と千尋の神隠し」の舞台を演じたことで、その後の映画やドラマの作品へのアプローチも変わりました。

-25年に帝国劇場が建て替えのため一時閉館となりますが、その前の24年に帝国劇場で舞台「千と千尋の神隠し」を上演することについて

橋本 最初に舞台「千と千尋の神隠し」のお話を聞いたとき、「初めての舞台で帝劇の真ん中に立てるんだ!?」と思ったのを鮮明に覚えています。帝国劇場は、歴史と伝統のある、お芝居をしている人は誰もが立ちたい場所。皆の憧れの象徴である劇場が一時閉館するということにあたり、最後のラインアップに舞台「千と千尋の神隠し」が入ったのはすごいことだな、と思います。帝国劇場で千尋を演じて、不思議と安心感があったんですよね。萌音ちゃんは緊張で死にそうだったと言っていましたが、私は初日が帝劇でよかったと思っていました。もちろん緊張はしましたが、帝国劇場に大きく包まれている感覚がありました。「ただいま」という気持ちになると思います。

-映像になった舞台「千と千尋の神隠し」をご覧になっていかがでしたか

橋本 7月の大千秋楽後に配信を初めて見たのですが、「こんな感じだったんだ!」と思いました。次のエピソードが何なのか、誰がどこにいるのか全部わかっているのに、それでもあっという間に見きってしまいました。劇場の客席で見ているときはまずセットや全体を把握しようとすることが多いと思いますが、映像で見るのは客席から見ているのとは全然違って、カット割りがあってキャストの近くに寄っていくので、お芝居が伝わりやすいかもしれませんね。