横浜流星(26)が1日、主演映画「ヴィレッジ」(藤井道人監督)公開御礼舞台あいさつの壇上で、ともに格闘シーンを演じた元キックボクサーの俳優・一ノ瀬ワタル(37)とともに、故河村光庸プロデューサーに映画の成功を誓った。

「ヴィレッジ」は22年6月に72歳で亡くなった、スターサンズ代表の河村さんが最後にクランクアップに立ち会った遺作だ。18年の映画「新聞記者」と21年の「ヤクザと家族 The Family」に続き、藤井道人監督(36)とタッグを組んだ。同監督が手がけたオリジナルの脚本は環境問題、産廃問題、限界集落、若者の貧困など、社会性の高いテーマが織り込まれ、サスペンス・エンターテインメント映画となった。

横浜は劇中で、幼い頃より霞門村に住みながら、父親がこの村で起こした事件の汚名を背負い、その罪を肩代わりするようにして生きてきた優、一ノ瀬は村長である父大橋修作(古田新太)の権力をかさにかけ、村で好き勝手に振る舞う透を演じた。透は、村のごみ処理施設でも、働く優をはじめ職員に暴力をふるい、いじめる役どころだ。

舞台あいさつの最後に、まず一ノ瀬が「『ヴィレッジ』という作品は結構、いろいろ出会いがあって自分の中でも思いが深い。(横浜)流星君と奥平(大兼)君と、藤井監督と出会えたのも、すごく良かった」と作品への感謝を口にした。その上で、河村さんには恩義があると口にした。

「元々、スターサンズの河村さんという人は、俺の恩人。昔、俺が名がなかった時『宮本から君へ』という作品で使ってくれて『頑張れよ』って言ってくださって。河村さんの最後の作品に出られたのは俺の中で、うれしかった」

一ノ瀬は19年に、テレビ東京系連続ドラマを映画化した「宮本から君へ」(真利子哲也監督)に出演。主人公の宮本浩(池松壮亮)の得意先の部長・真淵敬三(ピエール瀧)の息子・拓馬を演じた。拓馬は、宮本の彼女の中野靖子(蒼井優)を襲い、そのことで後に宮本が戦いを挑む怪力ラガーマンという役どころ。一ノ瀬はオーディションで出演を勝ち取り、公開前にはわずか2カ月で33キロ増量した役作りも話題を呼び、出世作となった経緯がある。

横浜も「たくさんの方に見ていただけているなと言うのは感じていて、それは本当に、すごいうれしんですけど、まだまだ、この作品を届けたい。きっと、河村さんも、この作品を届けたいと思っていると思うし、河村さんにも良い報告をしたい…それくらい、自分も強い気持ちを持っている」と続いた。