歌舞伎俳優市川猿之助(47)が主演し、途中休演した東京・明治座「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」が28日、千秋楽を迎えた。

夜の部「御贔屓繋馬」終演後、主演を務めた中村隼人(29)が登場し、涙声で「座中一同、このようなことになってしまい悲しく悔しい思いでいますが、なによりつらいのは、ご親族、ご一門、ファンの皆さまだと思います」とあいさつ。さらに「我々は猿之助兄さんに育てられて、今があります。とにかく我々はずっと味方でいようと思っています。いつかまた会える日を信じて精進してまいります」と絶叫した。

猿之助の休演で、一時は公演継続が危ぶまれたが、隼人、市川團子(19)の代演により、夜の部は中止なし、昼の部「不死鳥よ 波濤を越えて-平家物語異聞-」は1回の中止で乗り切った。

千秋楽はもともと、若手による花形公演として、隼人が主演する予定だった。18日から代役を務める隼人は安定感があり、宙乗り、早替わり、立ち回りなどで沸かせた。團子が代役主演した昼の部「不死鳥よ-」は前日公演が終了した。

猿之助は公演期間中の18日、東京都目黒区の自宅で両親と倒れているところが見つかり、歌舞伎俳優で父市川段四郎さん(76)母喜熨斗延子さん(75)が亡くなった。一家心中を図ったとみて、警視庁の調べが続いている。