SixTONES森本慎太郎(25)のなり切りぶりが話題になっている。日本テレビ系「だが、情熱はある」(日曜午後10時半)で演じている南海キャンディーズの山里亮太役だ。

先日、収録直後にインタビューする機会があり、劇中そのままの扮装(ふんそう)を目の当たりにした。「生」で見ると、思わず「おっ!」と声を出してしまう「完成度」である。

そんな森本だが、当初は自分と山里のあまりの違いに苦労したという。もともとマイペース派の森本にとって、周囲へのねたみをエネルギー源に努力を重ねる山里を理解するのは、骨が折れる作業だったようだ。

一方で、山里本人の全面協力もあり、マン・ツー・マン的にいわば「鏡」のように山里に接することで、十分すぎる個人的エピソードも聞くことができた。

そこで、森本は山里の思考回路のチャート図を作成。全体をながめるうちに「ふっ」とその行動様式への理解と共感が生まれたという。役が降りてくる瞬間とはこういうことなのかもしれない。

森本は、11歳の時に主演した映画「スノープリンス」を自身の演技の原点と明かす。

「じっちゃん役の中村嘉葎雄さんは、泣く場面でなかなか涙が出なかった僕に『泣く芝居だからといって涙は出なくてもいい。気持ちがのっていれば、必ず見ている人に伝わるから』と説いたんです」

山里役がモノマネ芸というよりは、内心を映すしっかりとした俳優の仕事になっているのも、この「教え」が胸に刻まれているからに違いない。

ジャニーズWESTの濱田崇裕(34)の場合は趣を変えて、大先輩が醸し出す「圧」を、自らのビビリの演技に生かしている。木村拓哉といういわば大きな「壁」が主演するフジテレビ系「風間公親-教場0-」(月曜午後9時)の「ちょっとポンコツな刑事」役だ。

先日の取材では「木村さんは役に入られるとやっぱり全然違います。木村さんが風間公親(役名)になるのではなく、まったく別人の風間がそこにいる感じになるんです。文字通り『最恐の緊張感』なんですよ」と明かしてくれた。

そんなピリピリ感に負けないように、濱田はコンビ刑事役の結木滉星(28)と入念に打ち合わせをし「3パターンくらいの演技」を常時準備していた。

「風間教官」に常に緊張感を持って接する若手刑事という設定が、そのまま現場の雰囲気に重なり、実際の収録ではすべて「最初のパターンでOKをいただきました」という。「木村さんとの共演シーンでは、なんとNGゼロだったんですよ。木村さんは周りの僕らのために本番前から怖い感じでいてくださったんだと思います」とも。そう思うだけのわけがある。

濱田は探求心から、実はこれまでの「教場シリーズ」への出演者からいくつかエピソードを聞いている。

「3年前の最初の作品では、生徒役の人たちの初顔合わせのような場に、いきなり風間教官姿の木村さんが現れたんですって。その瞬間に背筋が伸びる実感があったそうです。警察学校に通う生徒の実感が。監督もスタッフも(木村の参加を知らずに)驚いていたそうですから、木村さんが現場の空気を作るために自分でなさった事なんです」

そんな木村の演技への取り組みに接したからだろう。収録が終わった日、濱田は「演技がうまくなりてぇ」という心の声が口から出るのを聞いて自分でも驚いたそうだ。

森本も濱田もそもそもポテンシャルが高い。森本は番組企画で難度の高い「一級小型船舶操縦士」の資格をしれっと取得してみせたことがあるし、濱田もジャニーズ入り前に小学校の砂場で見よう見まねでバック転、バック宙を習得した身体能力の持ち主だ。

抜群の吸収力を持つ2人にとって、刺激的だったそれぞれのドラマは、次のステップへのかけがえのないきっかけになったに違いない。【相原斎】