先日、ミュージカル「ヴィンチェンツォ」東京公演初日会見で、日向坂46富田鈴花(22)を取材した。5年の舞台で実感しているという自身の成長について語っていた。

同舞台はアジア最大規模のドラマスタジオ、スタジオドラゴン(韓国)とエイベックス・ピクチャーズ株式会社の戦略的業務提携協定の第1弾として、大ヒットドラマ「ヴィンチェンツォ」を世界初ミュージカル化。シリアスとユーモアが入り交じるストーリーと大迫力アクションが融合した復讐(ふくしゅう)劇。イタリアマフィアの相談役である主人公の弁護士ヴィンツェンツォ・カサノを和田、共に大胆不敵な復讐(ふくしゅう)に挑む弁護士ホン・チャヨンを富田が演じる。

富田は約5年ぶりの舞台、初のミュージカル挑戦に上演前は「自分の殻を破りたい」と意気込んでいたというが、神戸での初日公演を終えたタイミングではこう語った。

「殻を破り途中です。ゆで卵で言うと、殻がパリパリ言っているところです。稽古期間中にいろんな方がアドバイスをくださって、頭がいっぱいになってしまう時もあったんですけれど、いろんな方の言葉が刺激となって。今これが終わったら、本当にヒナが生まれるんじゃないかなという気持ちです」

主演の和田雅成(31)は富田との共演に「度胸のある方だなと思いましたね。コミュニケーションが取れるようになって、壁がなくなるにつれて度胸の出し方が素晴らしいと思いました」と稽古について振り返り、こう続けた。

「ステージに慣れているというところで言うと、この子、舞台上に立ったらすごいんだろうなと思っていたらそうだったんで、ステージに慣れているなと感じました」

共演した佐藤仁美(43)も富田のアドリブの速さを絶賛。「初日ががらっと変わったよね。アドリブが出るのも早かったし。袖でちゃんと見てるからね」と話すと、富田は「私、アドリブやってました?」と目を丸くしていたが、上田堪大(34)は「俺に唾かけてきたよ」と指摘。富田は「そんなこともありましたね」思い出しながらと笑っていた。

富田はドラマ20話分を3時間半に詰め込んだ大作に「なくなるシーンもある中で、あるシーンにどう深みを生み出していくかを稽古では大事にしてきました」と話し、「劇場によって音の環境、楽屋の環境も全然違うのが、土地によって舞台って活きるんだなとしみじみ感じる部分でした」と心境を明かした。

富田が「公演をまだまだ駆け抜けて、来てくださったお客さまに心の底から来てよかったと思ってほしい」と話した会見後、東京公演初日を待ちわびたファンが会場外まで列を作っていた。

グループ活動だけでなく、ソロでの活躍にも一生懸命な姿が多くのファンを呼び込むのだと感じた。【加藤理沙】