がんと抗がん剤の副作用と闘っているキャスター小倉智昭(76)が29日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。
小倉は2016年(平28)5月、初期の膀胱(ぼうこう)がんを公表。18年に膀胱を全摘出手術したが昨年10月、肺への転移が分かり、抗がん剤治療を続けている。
パーソナリティーの生島ヒロシの「『三途(さんず)の川は本当にあるんだね』という報道にぶっ飛びまして」というふりに、小倉は「まさか自分でも、そんなものがあるとは思わなかったですよ」と答えた。
そして「去年のね、10月の末に検査入院をするんで…。それはがんの治療のために使ってた薬がものすごく効果があったんですけど、腎臓の方に影響が出ちゃったものですから。腎臓の数値が悪かったんで『そっちの方を含めて検査入院しましょう』って言ってたら、いやに調子が悪くなっちゃってね。検査入院の1週間くらい前かなぁ。もうすぐ検査入院だからって、ようやく仕事復帰してテレビやラジオの番組を立て続けに、毎日のように入れてたんです。日光に取材に行ってね。一日中動いていたら、どうも具合が悪くなっちゃって。帰りの車の中で『明日、大阪行けない。もうダメかも分かんない。多分、入院するぞ』ってマネジャーに言って」と振り返った。
その翌日、病院に行った。「『検査をしましょう』って言って先生の顔を見た途端にぶっ倒れたんですよ。その後、余り意識がなくてその間、病院は右往左往、大変だったみたいですよ。突然、検査入院のはずが緊急入院しちゃったんでね。その時に家内にも連絡が行って『危ない。そのつもりでいて下さい』って言われたらしい。その時でしょうね、夢なのか、現実なのか分からない。いわゆる三途の川ってやつ!?」と詳しく経緯を説明した。
生島が「お花畑があるんですか?」と質問。小倉は「あるんですよ。まず、おやじ(父勇さん=1982年に死去)が出て来てね。いい女でも出てくりゃいいいんだけど、おやじなんだ。死んだおやじが出て来て、さんざん話して。最後に『智昭、そろそろ行くぞ』って言うから『ちょっと待て』と。『俺、行きたくない』って。『俺は、もうちょっと居る』って言ったら『なんだお前、行かないのか』って言うから『行かない!』って言ったら『じゃあ、お父さん一人で行くから』って言って『じゃあね』とか言って…」と亡き父との再会を明かした。
そして「よくドラマで見るような橋を渡って行くんですよ、おやじは。それできれいなお花畑。かすみがかかっているような花畑の方におやじは消えて行く。『本当にあるのか、これ』って。後になって、そう言えばこの前、そういう状況があったなって…。あれは夢だったのか、臨死体験なのか。自分でも分からない。お医者さんに『先生、三途の川見てきたよ』って言ったら『あ、そう。本当に見るもんかね』って言うから『見たよ』っていう、今となっては笑い話」と明るく語った。
そのほか、酸性の度合いが強い体質を変えるために重曹(じゅうそう=炭酸水素ナトリウム)を摂取した話や、血糖値などの話が飛び出した。これには“健康の達人”と言われる生島も「耳をダンボにして聴いていただけるとうれしいです」と舌を巻いていた。
小倉は30、31日も出演する。