国際政治学者の三浦瑠麗氏が5日までにX(旧ツイッター)を更新。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(19年死去)の性加害をめぐる問題の“難しさ”について私見を述べ、所属タレントの降板が取り沙汰(ざた)される状況に「ただ心がひどく痛む」と思いをつづった。

三浦氏は「ジャニーズ問題の難しさについて、世の中で見過ごされがちなことが二つあると思います」と切り出し、そのひとつとして、2017年の法改正で「強制性交等罪」に改められるまで旧「強姦罪」が被害者を女性に限定していたことを挙げ、「ゆえにマスコミの認識もその程度だった。もちろんジャニー氏の行為は条例違反だったと思いますが、当局に検知されにくい特殊な体制だった」と指摘した。

もうひとつは「世間が『説明を求める』形で批判を浴びせている所属タレントの多くが想定『被害者』であること」と言及。「継続的虐待の対象となった被害者は、一回きりの事件の被害者と比べて更に告白しにくい状況におかれており、社会的立場や同性からの被害の告白のハードルなど、想像し難い困難がある」と推察した。

自身も性暴力被害に遭った過去を公表しており、「性的被害の経験者としては、ジャニー氏が亡くなって、彼から一切の説明が得られなくなってから、逆に今度は『想定被害者』の側に『説明責任』や降板を求めるような状況に事態が陥っていることを見て、ただ心がひどく痛むと申し上げるほかはありません」と吐露。「物事はそんなに簡単ではないと思います」とつづった。