フリーアナウンサー梶原しげる(73)が5日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜午後1時)に出演し、アルツハイマー病と診断されたことを初公表した。

結婚44年になる妻まり子さんとのなれ初めを明かした。「外でのロケを見ていた女性の中にかわいい人がいるなと思って。当時積極的だったんでしょうね。こっちこっち、(当時所属の)文化放送でラジオやってるからって。ずうずうしかったんですけど。3人のうちの1人だったんです」と語った。

その妻がアーノルド・キアリ奇形による脊髄空洞症の手術を受けていたことを明かした。宝塚好きの妻だといい「なかなか難しい手術を受けるときに、生きるか死ぬか分からないので、『私は(妻が)最後に宝塚を見たい』と言いました」。手術については「なかなか微妙でして、この病気は完治するというわけではなく、背負って生きて行くもの。痛みや苦しさを取り除くとか、そういう段階にはなるんですけど」と説明した。

さらに「私は彼女の病気が分かってから、自分の人生は彼女のためにあるんだと、思うようになりました。とにかく彼女が妻が、心地よい、という状況で過ごせるということを第一に考えました。これ(病気)でつらいから、それ以外でのつらさは何とでもしようと」と語った。アーノルド・キアリ奇形について知ったのは結婚後で、「そこから本当に妻のことが好きになりましたね」と話し「妻のことを思い出すと、頑張ってきたなっていうことを感じて、妻には頭には上がらない」と語ると、涙が止まらなかった。

▼アーノルド・キアリ奇形 脳の奇形の一種で、後頭部にある小脳や脳幹の一部が、頭蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態になる。キアリ奇形とも言われる。この状態になると脊髄空洞症を起こし運動機能に障害が出る。症状はさまざまあって、頭痛、頸(けい)痛、手足のまひ、視覚障害、手足のうずき、感覚異常、めまい、嚥下(えんげ)障害、腰痛、記憶障害、歩行障害、胸痛、平衡感覚障害、痛覚異常、言語障害、括約筋障害、不眠症、嘔吐(おうと)、失神、震えなどがある。