女性アイドルを長く続けていると、年齢の話題が出ることも多い。だが、日向坂46の佐々木久美(27)は「永遠に30歳でいたいんです」と言う。一見、首をかしげたくなるような表現だが、根底には「年齢はただの数字」という信念がある。加入8年目、キャプテンに就任して6年目。まだまだ現役バリバリで最前線に立っている。

10月15日テレビ東京「日向坂で会いましょう」(日曜深夜1時5分)で、「脱したい 中途半端な この年齢」という川柳を披露した。佐々木が「27歳で、すっごいピチピチ! みたいな若い感じでもないし、だからと言って人生経験豊富で何でも教えてげられるよ、みたいな立場でもない。板挟みだなって最近窮屈に感じていて。こういう時ってありましたか?」などとMCのオードリーに相談するシーンがあった。

さらに「早く30歳になりたいですね」と言うと、若林正恭(45)から「キャプテン30歳おめでとう回、やりましょうか? この番組では30歳ってことで。3年くらい前倒しして」と異例の提案をされ、前向きに「うれしいかもしれないです。吹っ切れるかもしれないです」と前向きに返答していた。

「窮屈に感じる」とはどういうことなのか。確かに佐々木久美はグループ最年長で、最年少の渡辺莉奈(14)とは13歳差。先輩の櫻坂46を含めても一番年上で、乃木坂46まで入れても最年長の吉田綾乃クリスティー(28)と同い年だ。乃木坂46からは1、2期生が全員卒業し、櫻坂46も一期生の多くが卒業した。「上の年代の方が卒業されて、年齢について言われる機会がすっごい増えたんです」と明かす。

メンバーやオードリーから愛のあるイジりを受けるシーンもあるが、それとは別に、日常会話や仕事の関係者、取材などでも年齢の話題が増えたのだろう。「私は気にしてなかったんです。だけど『もうすぐ30だね』って、すごくいろんなところで言われるようになって。その意識の差にすごいギャップを感じました」と言い、「だったらもう逆に、永遠に30歳でいたい、って思いました」と説明した。

「だから『そんなに年齢って重要なの?』って思います。カッコいい言い方をしてしまうと、ただの数字だと思っていて」と力強い。「年齢関係なく、このグループでできることをしたいと思っているし、体も元気なんです。努力すれば動き続けられると思っているので」と言い切っている。

今年は期を超えてメンバーたちと話す機会が増えたという。昨年9月に加入した四期生ともコミュニケーションをとっている。「四期生は結構悩んだりする時期だと思うんです。そういう時って、人の言葉が心強かったりするじゃないですか。私たちも本当にそうだったので」と思いやる。四期生最年長の平岡海月(21)とは食事にも行ったという。「年長さんなので、周りが見えちゃうタイプで。そこは私と似てるかな、と思いました」と明かした。

バラエティーでも積極的に体を張って先陣を切り、ライブでもキラーチューン「誰よりも高く跳べ!」のアオりや、全力パフォーマンスで引っ張っている。昨年、加入したての四期生が客席から見守る中、後輩たちの目の前の花道ステージで、佐々木が「ってか」の激しいダンスをがむしゃらに踊っていたのも印象的だ。

全身全霊でアイドルに没頭しているからこそ、何年活動しても「年齢はただの数字」と言えるのかもしれない。【横山慧】