24年1月3~9日に、大阪市北区のシアター・ドラマシティで、フレンチロックミュージカル「赤と黒」が上演される。同作に出演する宝塚歌劇団の元星組トップ娘役、夢咲ねねがこのほど、大阪市内で意気込みを語った。

「赤と黒」はフランスの文豪スタンダールの小説が原作。日本では1957年(昭32)に宝塚歌劇で上演(菊田一夫脚色)され、その後も再演が重ねられてきた。08年の星組公演(主演安蘭けい)では、夢咲も舞台に立った(マチルド役=今回は田村芽実)。今春にも星組公演が行われ、ジュリアン・ソレルに礼真琴、ルイーズ・ド・レナールには有沙瞳がふんした。

舞台は、ナポレオンによる帝政が崩壊し、王政復古の世を取り戻したフランス。小さな町ヴェリエールの貧しい家庭で育った青年ジュリアンは、町を支配する階級に激しい敵対心を持っていた。レナール家の家庭教師の職に就いたジュリアンは、信心深く貞淑な夫人ルイーズとの禁断の恋に溺れていく。

今回、そのルイーズにふんするのが夢咲。「レナール夫人(ルイーズ)は貞淑な妻でありながら、自己主張をはっきりする人。ジュリアンという未知の男に出会って、本来の自分の姿を取り戻します。私には新たな挑戦となる役です」と話す。

礼の星組公演を見た夢咲は「フレンチロックがかっこよくて、1曲1曲が耳に残りました。ロックの中に情緒があるんですね。曲が印象に残る一方で、ドラマをどのように見せるか、登場人物の心の動きをどう見せるか、楽しみです」。

今回、主演のジュリアンは三浦宏規。2・5次元ミュージカル「刀剣乱舞」や「レ・ミゼラブル」「千と千尋の神隠し」などの話題作に出演してきた。

「三浦さんとは初共演ですが、ジュリアン役にぴったりの方です。笑顔がチャーミングなのに、目は真剣そのもので、ふれたらやけどしそうな熱さを持っておられます。ジュリアンの野望、野心と重なる部分もあるんです」

演出はジェイミー・アーミテージ氏。共演には田村芽実、東山光明、川口竜也、東山義久、駒田一ら。

夢咲は「ジェイミーさんが細かく演出をつけてくれるので、濃密で繊細に作り込まれた舞台になりそう。キャストの皆さんも適材適所っていうか、素晴らしいんです。新年1月3日が初日なので、2024年の始まりにぜひご覧いただきたい作品です!」と自信をのぞかせた。【三宅敏】