サザンオールスターズ桑田佳祐(67)が2日、TOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(土曜午後11時)に出演し、ドラマ「岸辺のアルバム」(77年)「ふぞろいの林檎たち」(83年~)で知られ、先月29日に亡くなった脚本家の山田太一さんを追悼した。

桑田はかねて「岸辺のアルバム」が好きであることを公言。「ふぞろいの林檎たち」ではサザンの「いとしのエリー」が使われた縁もある。リスナーからの山田さんについて触れたメッセージを読みながら「『岸辺のアルバム』。70年代、それなりに、我々の世代で価値観とかも多様化したり、表現も自由なんじゃない、と自分のやりたいことやりながら生きていっていいんじゃない、と思わせてくれたのが、山田太一さんなんでございます」と紹介した。

同作で不倫する女性を演じた八千草薫さん(19年死去)についても触れ「八千草薫さんのイメージが変わったというか、八千草薫さんがこんな役やっていいの? という。お姫さま役だった…(八千草さんが演じる)一介の主婦が、一介の主婦でなくなる。一介の主婦なんていうステレオタイプな存在は、もうないんだし、男のただの幻想に過ぎないんだ、みたいな」と、山田さんによって描かれた世界観に思いをはせた。

桑田はあらためて「『岸辺のアルバム』、しびれたなあ」と感慨深げにつぶやくと「山田太一先生、ありがとうございました。ゆっくり休んでいただきたいと思います」と追悼し、ドラマの主題歌でジャニス・イアンの「Will you dance」をオンエア。曲を終えてからも「『岸辺のアルバム』、何度も繰り返して見たんです。若いころのことを思い出すけど、あの当時、何やってもいいんだ、というか、自分には自分だけのやり方があるみたいなこと、もっと言ってしまえば、常識にとらわれた大人のやっていることは、何かダサくない?と思わせてくれた…そういうことを、この曲を聞いていたら思い出しました」と、しみじみ語った。