旧ジャニーズからの出場者ゼロで想像されたことだったが、昨年大みそかのNHK「紅白歌合戦」の視聴率は振るわなかった。

それでも、随所に見せ場はあった。伊藤蘭の「キャンディーズ50周年スペシャルメドレー」もその1つで、往年ファンの心をくすぐったのではないかと思う。

「年下の男の子」「ハートのエースが出てこない」「春一番」という極め付きの3曲にキャンディーズ当時の映像を絡める演出で、150人を超える「親衛隊」がステージを囲むというおまけも付いた。

何しろ50周年だから、親衛隊の人たちにも年輪が刻まれている。“年下のはずの男の子”たちの貫禄ぶりとの対照で、よけいに蘭ちゃんの若々しさが際だったように思う。

もう10年前になるが、インタビューする機会があって、ストレートに若さの秘訣(ひけつ)を聞いたことがある。

「その時々に、はやっているものはとりあえず試してみるって感じですかね。今は酵素ドリンクとスムージー。古くは紅茶キノコ、カスピ海ヨーグルト…。飛びついてやるんですよ。でも長くは続かない。何でも飛びつく女です(笑い)。おかげさまで体力的には自分でも驚くほど丈夫なんです。風邪ひいてやばいなって思う時も結構平気だし」

ほとんどの女優さんは「特にありませんね」と、答を濁すことが多いので、けらけらと笑いながら話してくれたことも意外だった。

時々の「はやりもの」に効果があったかは分からないが、何事もとりあえず試してみるという前向きな姿勢が秘訣なのかもしれない。

当時は連続ドラマ「DOCTORS2 最強の名医」の収録中で、研修医を演じた女優デビュー作「ヒポクラテスたち」以来、33年ぶりの本格的な医療ものだった。

「あの研修医がそのまま成長してこうなったのかな、なんて連想しています。単純に医学用語が難しいですね。台本のチェックはそこから始まります。体に染みいるのに時間がかかるんです。時間がない時もあるので、結構冷や汗かいているんですよ」

長女の趣里(33)のデビューから2年。家事などもあって時間のやりくりがたいへんな時期だったと思うが、その分、効率的に役作りをしている様子がうかがえた。多忙な中、思考回路の整理整頓に務めたことも秘訣の一つだろう。

共演は沢村一樹(56)。収録の合間はさぞやにぎやかだったに違いない。

「待機時間には、よくお話しします。あれっ、何を話しているんだろう。いろいろ。アレ(沢村得意の下ネタ)おっしゃっているらしいんですけど(笑い)。きっと気にして遠回しに。でも私、全然分かんない」

余計なことは耳に入らない。いい意味での鈍感力もあるのだろう。

趣里についてはこんな風に話していた。

「子供って、ウチの娘もそうなんですけど、親の知らないところですごい勢いで成長したり、変化している。一定の年になったら、もう親がどうこう言うことないし。ウチの娘も、もう必要ない。自由に歩んでほしいと思ってます」

今では趣里はNHKテレビ小説「ブギウギ」のヒロインである。芸能一家は数多いが、相変わらず若々しい夫・水谷豊(71)といい、これほど第一線に歩をそろえた一家は珍しいのではないかと思う。【相原斎】