大泉洋(50)がこのほど、生誕50周年を記念したリサイタルツアーのファイナルを、初の日本武道館公演で締めた。

沢田研二のヒット曲「TOKIO」でライブをスタートさせ、アンコールも含め全19曲を歌唱した。途中のトークもたっぷりで、歌もトークも存分に楽しめる3時間だった。

360度見渡せるセンターステージに立ち、NHK紅白歌合戦で披露した玉置浩二プロデュースの「あの空に立つ塔のように」、3月20日リリースのアルバムに収録の新曲「コラーゲン。」を初歌唱。「ハナ~僕とじいちゃんと」ではピアノも初披露した。

静かにかっこよくピアノの前に座った時は、観客から歓声や、おお~というどよめきが広がった。そのまま弾ければかっこよかったのだが、何度もイントロを失敗してやり直し「あんなに練習したのに」「なんでこんなことに…」「武道館には魔物がおるな~」など、ぼうぜんとしたり、苦笑したり、いろんな表情を見せた。

会場からは「焦らないで!」と優しい言葉が飛んでいたのが印象的だった。その後、無事に弾き語りで魅了し、最後に「悔しいから」と再度チャレンジしていた。「俺らしくない?」と笑うと、さらに大歓声と拍手を受けていた。

ピアノは、昨年9月から練習していたという。京都で時代劇を撮影している期間もホテルにピアノを入れてもらって練習していたとか。時代劇を撮影した後、部屋でピアノを練習するという、切り替えも大変だっただろうと思う。

ピアノを弾くというアイデアは、コロナ禍の緊急事態宣言の時に思いついたのだという。たくさんの人に少しでも喜んでもらいたいと企画したが、準備に取りかかったところで緊急事態宣言期間も終わり、仕事も忙しくなってしまったという。そして、4年越しの思いを実現するのにふさわしい場所として、武道館公演を選んだと話していた。

歌もトークもピアノも、本当にサービス精神たっぷりだった。大泉自身が楽しんでいる姿を見て、観客も楽しい気分になるという相乗効果がずっと続くようなリサイタルだった。

冒頭、1万3000人の観客でぎっしり埋まった会場を見て「おそろしいね」とつぶやいた大泉だったが、この会場を満席にできるパワーを、本編を見て実感した。【小林千穂】