7人組女性アイドルグループ、FRUITS ZIPPERの櫻井優衣(24)が、ブレークの兆しをみせている。

グループとして第65回日本レコード大賞で最優秀新人賞を獲得したことは記憶に新しいが、個人でも昨年からTikTokを中心としたSNSで注目度が急上昇。昨年2月発表の楽曲「ハピチョコ」では、自身のパートで歌うフレーズ「なぁになぁに?(※歌詞では『なになに?』表記)」が大流行。TikTokでは派生語「なぁぜなぁぜ?」にもなってブームを巻き起こし、「TikTokトレンド大賞2023」のハッシュタグ部門も受賞した。

現役アイドルらも熱視線を注ぎ、昨年6月放送のフジテレビ系「ねる、取材行ってきます~TOKYOアイドルタイムズ~」内で調査された、「現役アイドルが選ぶ『とにかくカワイイと思うアイドル』ランキング」では堂々の1位も獲得。フェスなどでは櫻井と写真を撮りたいアイドルの列もできるようになったといい、2月中旬に行った初写真集発売へ向けたインタビューでは「楽屋を出てケータリングを取りに行った時とかに声をかけられたりすることが多くなりました。うれしいですね。そうやって声をかけてくださるのであれば私も一緒に撮りたい」と笑顔で語っていた。

アイドルらと会話した際に「うれしかったこと」として挙げた話もあった。櫻井のグループでの担当カラーはミントグリーン。別のアイドルグループでの活動経験もあり、その時はピンクなどのいわゆる“王道カラー”を担ってきたというが、結成時の話し合いでは「全体のバランスが一番」と強くは主張せず、ミントグリーンを選んだ。同じ緑系の色を担うアイドルらから「自分は緑が嫌だったけど誇りを持てるようになった」などと声をかけられることも増えたといい「私も同じ気持ちで、納得して選んだ色でしたけど、背中を押されました。このグループの緑として頑張ろうと思ってやってきたことが通じた気がしてうれしかったですね」。

グループの発展が第一とする考え方は、ここまで10年間重ねてきた活動から芽生えたものでもある。「ソロでできること、できないこと、グループであることの強みもわかりましたし、FRUITS ZIPPERでは、このグループにかけてもいいと思えました。誰が真ん中にいても売れるんじゃないかと思えましたし、弱い部分をフォローし合いながら、全員で上がっていけると感じました」。

今年に入っても“バズってる”勢いに衰えはなく、1月には格闘家で、登録者数334万人の人気YouTuberでもある朝倉未来(31)が手がけるアイドルグループの告知動画に出演。2月にはグループとして目標のひとつでもあったテレビ朝日系「ミュージックステーション」出演も果たし、出番待機中は司会のタモリと鈴木新彩アナウンサーの間という“好ポジション”でカメラに抜かれ、全国にその姿を届けた。

Mステ放送後はインスタグラムのフォロワーもかなり増えたといい、メンバー初の20万人も突破。「お母さんがとっても喜んでました(笑い)」と笑顔で振り返っていた。今年で24歳となるが「おばあちゃんになっても『アイドルだね』と言われるくらいの存在で居続けられるように」と“生涯アイドル”人生への抱負も口に。朝倉との動画内ではやりとりの中で「彼氏はいない」と語っていたが、結婚などについても「今は将来のことを全然考えられない」と話し「今はファンの方に夢をかなえていただいていて、それにいかに応えていけるかを第一に考えています。まだまだやらなきゃいけないこと、かなえたいことがありますし、全部見せられていないので。それを見せることしか考えてないです」と力強く言い切った。

インタビューでは、櫻井が何度か口にした「誇り」という言葉が印象強かった。10年間のアイドル生活の誇り、そしてFRUITS ZIPPERとしての誇り。こだわりをぶらさずに、まだまだその道を進んでいく。【松尾幸之介】

◆櫻井優衣(さくらい・ゆい)2000年(平12)2月21日、東京都出身。小学生の頃からAKB48や鈴木愛理(当時℃-ute)らアイドルに憧れ、中学生の頃から自身もアイドル活動を始める。高校時は一時ソロとなり、カフェやカラオケ店、チケットもぎりなどのアルバイトも経験。22年2月にFRUITS ZIPPER加入。セカンドシングル「私の一番かわいいところ」がTikTokで9億回以上再生されるなどしてブレーク。ネイリスト技能検定3級、ジェルネイル検定初級の資格を持つ。趣味は紅茶、ラーメンめぐり、メーク研究。24年2月20日にはファースト写真集「YUi」(光文社)も発売。身長157センチ。