落語家の立川志らく(60)が21日、X(旧ツイッター)を更新。「日本のお笑い」に関する脳科学者の茂木健一郎氏の投稿に対し、長文で反論した。

茂木氏は20日、「コメディは、本来は最高の知性の表れ。日本のお笑いは全員落第!」とXに投稿。日本のお笑いなどについて語った、同じタイトルの自身のYouTube動画を添付した。

志らくはこれをうけ「今回もコラムかというほど長いです」と前置きし、「茂木さんとは仲良しなので彼の言いたいことはよく分かる。でもね、日本の笑いはそこまで低くない。むしろレベルは高い部分もあると思う。アメリカの笑いは、世の中を斬り込んでいるイメージがあるが、でもその大半は人種差別とエロネタであったりもする。m1の漫才にしたって、ランジャタイやトムブラウンのようなぶっ飛んだ、イリュージョン系の笑いを若い子がウケている凄さ。彼らの笑いは落語の本質なのです。談志の提唱すること『落語はイリュージョン』。なんだかわからないけど、まるで夢のような、意味不明だが、そのフレーズだからこそ面白い、それが落語の本来の面白さ。だから江戸時代に出来た笑い噺が令和の世の中でも通用しているのです。落語の魅力は昔話ではない」と、師匠立川談志さんの言葉も紹介しつつ、述べ。

そして「そのイリュージョンを体現しているのが落語家ではなくランジャタイでありトムブラウンであり、ジャルジャル、ヨネダ2000。でも、このイリュージョンをいち早く始めたのがダウンタウン。松本人志。横山やすし師匠からチンピラの立ち話も揶揄されたが、それはその時点でテクニックがなかったから。テクニックを習得してからはダウンタウンは日本の笑いを変えた。それはイリュージョンの笑いを作り上げたから。おそらく落語の本質であるイリュージョンを笑いに昇華させているのは日本。茂木さんが言うところのレベルの低さは、それは番組なのでしょう。なかには本当に酷いのはある。でもそこだけを取り上げて日本の笑いを否定するというのは談志の否定、落語の否定につながります」と、活動休止中のダウンタウン松本人志(60)にもふれつつ、続けた。

さらに「落語も権力に斬り込むのが魅力だと言う人がいるが、それは落語の一部の要素であり、本質ではない。ついでに言うと 『弱きを助け強きにはヨイショ』 この卑屈さ、愛嬌、人間らしさが落語家の姿。だから愛される。落語の本質はイリュージョン。それを表現しているお笑い芸人は世界トップレベルです」とつづった。

その後の投稿でも志らくは「例えばIPPONグランプリの大喜利。あれは凄い。勿論笑点の大喜利は楽しい。わかりやすい。でもIPPONグランプリのあの芸人達の答え。ほぼイリュージョン。ベタは無いし、ウケない。なんだかわからないけれど、そのフレーズだから笑えるというものばかり。まさにイリュージョン的笑い。落語の『二番煎じ』の『それはその宗介さん』というフレーズ。『野ざらし』の『骨(こつ)ぅ』というフレーズ。このフレーズじゃないと面白くない。

説明は出来ない。それとIPPONグランプリの笑いは同じ。これを笑える観客も凄い。欧米にこういう笑いの番組はあるのだろうか?」と記した。

志らくの長文投稿をうけ、茂木氏は自身のXを更新。「志らく師匠、謹んで拝読しました。ありがとうございました。ゆっくりと考えさせていただきます!」と返信した。

茂木氏は17年、「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」などと記し、それに対し松本人志がフジテレビ系「ワイドナショー」で「茂木さんが全然面白くないから。笑いのセンスがまったくないから、この人に言われても『刺さらなねぇぜー』って感じ」などとやりとりし話題になったことがあった。

最近も茂木氏は、19日までに更新した自身のXに「日本のお笑い芸人で、鋭利な刃物のようなシャープさを感じさせる人は皆無かも。それがこの国の不幸」などと投稿している。