日本一のピン芸人を決める「R-1グランプリ2024」で第22代王者に輝いた街裏ぴんく(39)が優勝者会見に出席し、よろこびを語った。

王者になってから1時間たらず。芸歴20年目での栄冠に「20年辞めずにやってきて良かったです。自分なりにやれることをやってきて。本当に漫談が好きでこれにこだわってやってきたので。長いことかかりましたね。夢見てるみたいです」と目を細めた。

ピンク色のスーツとちょうネクタイが印象的。6月に優勝者特番が行われることに「ええっ」と目を見開いて驚き。「110キロの大巨漢が何かなし得るというのが、世の中の太っちょたちに届けたいです。冠番組持てるようになるぞ、と」と体重110キロの大きな体で胸を張った。

共演してみたい芸人を問われると「今までおもしろいとも思いながら背中追っかけていた先輩、いろんな先輩と共演してみたい。小籔(千豊)さんとか」と、吉本新喜劇の元座長の名前を挙げた。「大阪時代に新喜劇入りたくてオーディション受けたけど落ちて。島木譲二師匠に弟子入りお願いしに行ったくらい。玉砕してしまったんですけど」と、自身の芸人人生を回顧。「小籔さんやまだお会いしてなかった、おもしろい先輩たちに漫談を聞いてもらったりしたいです」とラブコールを送った。

先輩芸人への尊敬の念は厚く「ダウンタウンさん。1回『ガキの使い』出させてもらったんですけど、もう1回。ダウンタウンさん見て育ちましたから。鶴瓶師匠にもかわいがってもらっていただいた時期があって」と会いたい先輩たちを列挙。「鶴瓶師匠に『ベタもできるようになれ』と言っていただいたのが胸にあって。今日自分の中では、広く笑ってもらえるようなことを意識してできたと思います。もう1回会いに行きたいですね」と描いた。

賞金500万円の使い道を問われ「借金が知り合いに150万円、アイフル、アコムに満額の50」と経済状況に苦笑。妻とは連れ添って約10年になるが、旅行に行ったことがないといい「ハネムーンに2泊3日なりで行きたい」と愛妻を思いやった。

ネタは2本続けて空想の物語を語る漫才で仕掛けた。1本目は石川啄木、正岡子規ら偉人たちが次々と登場する展開で笑いを誘い、最終ステージでは自身がモーニング娘。の初期メンバーとして予定されていたという展開で爆笑をさらった。審査員を務めた陣内智則は「どういうスタイルと言っていいかわからない漫才でしたけど、情景が想像できた。熱としゃべりのうまさでグッと入ってきておもしろかった」。

小籔千豊も「僕の好みだけだと100点満点です。どんな育ちか方をしたらこんな漫才にいきつくのか興味がある」。勝敗を分ける最後の1票を入れたハリウッドザコシショウは「おもしろかった。エネルギーがすごい。このエネルギーが今のテレビに必要だと思うので、どんどんやっていってほしい」と評価していた。

◆街裏(まちうら)ぴんく 1985年(昭60)2月6日、大阪府出身。芸歴20年目。トゥインクル・コーポレーション所属。主な受賞歴に22年「Be-1グランプリ」優勝。過去10年のR-1戦歴は14年1回戦、15年2回戦、16年2回戦、17年準々決勝、18年3回戦、19年準決勝、10年準々決勝。趣味はラップを聞くこと、特技は全有名人の目撃情報を話せること。