サッカー元日本代表MF中田英寿氏(49)がオーガナイザーを務める、「CRAFT SAKE WEEK with OMAKASE byGMO at ROPPONGI HILLS」開催10周年記念スペシャルトークセッションが26日、都内で行われた。
主催のJAPAN CRAFT SAKE COMPANYで代表取締役を務める中田氏は「16年当時、会社を立ち上げ、日本酒を知ってもらい、世界に広げようと始めた。食、工芸を見てきて、PRしたいとやってきた10年。途中でコロナもあったり、いろいろなことがありましたけど、10年やって形ができてきた」と感慨深げに語った。今回から、人気飲食店の予約サービスを行う、GMO OMAKASEが特別協賛につく。中田氏は「反面。新しいこともしていかなければいけない中、新しいプラットフォームを作る機会はうれしい」と口にした。
「CRAFT SAKE WEEK with OMAKASE by GMO at ROPPONGI HILLS」は、09年から日本全国47都道府県をめぐる旅をスタートし、400を超える酒蔵を訪れてきた中田氏がオーガナイザーを務め、16年からスタート。日本酒、農業、工芸を中心に、数多くの生産者の元を訪ね、日本が誇る文化や技術の素晴らしさに出会ってきた同氏が、日本酒の奥深さと可能性を強く感じたことでプロデュースした。
日本全国から厳選された酒蔵が日替わりで出店するため、いつ来ても新しい出会いがあり、自分の好みに合った日本酒を見つけることができる。また、蔵元が自ら日本酒を振る舞うことで、参加者は日本酒の選び方や楽しみ方を直接、聞くこともできる。それぞれの酒蔵のこだわりや特徴の違いなどを知ることで、日本が誇る“SAKE”文化に触れ、日本酒の魅力を再発見できるイベントだ。これまで東京・六本木をはじめ、九州では博多、東北では仙台などの地域でも開催。18年10月には、スペイン・バルセロナで開催された国際PR協会(IPRA)主催する国際PRアワードの最高峰「ゴールデン・ワールド・アワーズ」(GWA)でアート&エンターテインメント部門の最優秀賞を受賞した。
20年以降は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け開催が見送られてきたが、22年9月には東京・国立代々木競技場で開催された複合型都市型フェス「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO~BEST MUSIC & MARKET~」の中で、スピンオフ企画ながら3年4カ月ぶりに「CRAFT SAKE WEEKEND 2022 at INSPIRE TOKYO」を開催。コロナ禍から日常が戻り始めた23年には、六本木で本イベントとして約4年ぶりに開催した。これまで、延べ125万人を動員し、今回は4月17日から過去最長の13日間、開催する。
中田氏は、今後の見通しについて「この10年は酒蔵、シェフの方と二人三脚でやってきた。自分たちで考えてやってきた中で、自分たちだけじゃダメなところまで来ている。より幅が広がり、世界への発進含めやれることは増えたんじゃないかなと。食を基本としながらも日本文化の発展のプラットフォームを考えている。酒より、文化を発信するプラットフォームになれればいいなと思っています」と口にした。さらに「この10年、いつでも仕組み、フォーマットを、ずっと考えながら進めるのが好きで、得意。このフォーマット自体も10年で形ができた。この先を考えた時、お酒へのフォーカスだけでなく、人もこれだけ集まり、海外から来るようになって工芸、農業、さまざまな日本文化につなげると面白いかなと」と口にした。その上で「東京でやっていますが、地方で名産品や生産者を巻き込んで、たくさんやれればいいなと。海外でも、できたら面白い。そういう機会が作れればなと」と地方と海外での開催にも意欲を見せた。
米国のトランプ大統領による一連の関税や、日中関係の悪化を受け、日本酒の輸出が難しくなっているなどの報道もなされている。質疑応答では、日本文化の発信で、どこに注力したいのか、国際情勢等々も考慮し、日本文化の発信において壁になってくると想定されるものは何か? と質問が出た。中田氏は「フランス、イタリアワインの輸出が多いのは、レストランが多いから。業界自体が世界に行かないと伸びない。和食というプラットフォームを、どれだけ世界に発信するか?」と口にした。25年にはインバウンド(訪日客)の数が年間で4200万人を突破し、過去最高を記録した。中田氏は、そのことを踏まえ「日本を文化として出していくには、大きな取り組みをしないと。文化は生活、生活の仕方を出していくこと。日本に来る人が多いのがチャンス。(インバウンドは)日本の仕方に触れている、どう最大化するか? より大きな取り組みをやっていかないと。仕組み作りができれば、可能性が広がるのでは?」と述べた。
◆中田英寿(なかた・ひでとし)1977年(昭52)1月22日、山梨県甲府市生まれ。同県立韮崎高から95年にJリーグのベルマーレ平塚(現J1湘南ベルマーレ)に加入。98年にセリエA(イタリア)ペルージャに移籍し、ローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ、そしてプレミアリーグ(イングランド)ボルトンと渡り歩く。98年フランス、02年日韓、06年ドイツとワールドカップ(W杯)3大会に出場。ドイツ大会後の2006年(平18)7月3日に現役を引退。国際Aマッチ77試合出場11得点。オリンピックにも96年アトランタ、00年シドニーの2大会に出場。
引退後は世界約90カ国、150以上の都市と日本全国を旅した。その中で、日本酒のおいしさと文化的可能性を強く感じたことから、15年に「株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を設立。日本酒開発やイベントコンサルティング、日本酒アプリ「Sakenomy」、日本酒のトレーサビリティーシステム「Sake Blockchain」の開発など幅広い活動を行っている。また、日本酒以外にも日本文化を国内外に紹介するため、旅の軌跡を紹介するウェブメディア「に・ほ・ん・も・の」や、厳選した作り手を紹介し多言語で出版される書籍「に・ほ・ん・も・の」(KADOKAWA)など、多くのメディアで情報を発信している。



