上方演芸界で最も長い歴史を持つ「第61回上方漫才大賞」発表会が7日、大阪市内で行われ、ザ・ぼんち(ぼんちおさむ=73、里見まさと=73)が1981年以来45年ぶり2回目の大賞を受賞した。
45年ぶりの大賞受賞は、オール阪神・巨人の31年を大幅更新する史上最長記録。コンビ再結成での受賞は初となった。
まさとは「45年かかって、このステージに上がれるとは。日々ちょっとずつやってたらいい運も来るんだな」と感慨深げ。おさむは「感謝しかない。まさかもう一度取れるとは思わなかった。お客さんに笑ってもらうという気持ちが通じたのかな。これからも笑いが絶えないように頑張って進みたい」とかみしめた。
まさとは09年に亡くなった亀山房代さんとの「里見まさと・亀山房代」で98年に大賞を受賞しており、個人としては3回目の受賞となる。
自宅を出る前に亀山さんの遺影に触れ、「あなたのおかげで3回目の漫才大賞を取ることができますと言ってきました」
その上で、「1回目のザ・ぼんちのまさと、亀山さんの時のまさと、2回目のおさむさんと組んでるまさと。皆違う人やと思ってください。それくらい、それぞれのコンビにハートをぶつけてきた」と胸を張った。
芸歴55年を迎え、「THE SECOND~漫才トーナメント~」では、最終決戦に駒を進めるなど円熟の芸を披露してきた。若手に交ざってネタを披露することに、おさむは「チャレンジすることが元気になる。若い人の胸を借りる。収まってる場合やない。若い人にぶつかって、アウェーで頑張りたい。自分のしゃべり、おもろさがどこまで通じるのか。失敗もあるかも分かりませんけど、失敗を押されず前を向いて歩いて行きたい」。
まさとは「若い人の劇場に出していただくにあたってね、NGKのネタをそこへ持って行ってウケるか言うたら、バッツンバッツン外さなアカン。その代わり、若い人の中でウケるネタも分かる。今のマネジャーさんが、勘弁してよっていうくらい静岡沼津の劇場から大宮、幕張、福岡と若手の劇場のところへ『ネタを2つ持って行って、新ネタをやって』と。これはいけるというのをやってきた積み重ねが『THE SECOND』で出せた」。周りの助言と飽くなき向上心が2回目の受賞につながった。
このマネジャー、以前は広報担当をしており、我々報道陣にもなじみの深い人物。控えめな印象で出しゃばるタイプではないが、何かと調整ごとの多い業界の中でも仕事が早く、おさむの弟子のきよしを取材したときも世話になった。「おめでとうございます」と声をかけると、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。
おさむも「周りのスタッフにも恵まれましてね。この6~7年は本当にありがたいなと思います。僕たちの力ではちょっとね。挫折しているときでも『こうした方がいいですよ』ってアドバイスとか、自分たちでは分からんこともちょっと引いた目で意見を言ってくれて、その意見を聞きながらちょっとずつ直していったら、こういう形になったんやないか」と絶大な信頼を寄せた。
会見後、ザ・ぼんちの2人が記念撮影をしようとしていた。マネジャーは控えめに撮影役に回っていたが、おさむから「おいで。一緒に映ろう」と声をかけられ、照れくさそうに撮影に収まった。偉業の裏に縁の下の力持ちの存在があった。【阪口孝志】



