歌手加藤登紀子(82)が4月9日、都内で新著「『ま・さ・か』の学校」(時事通信社)の発売を記念した取材会を行いました。
会見の中で、著書にも記した1995年(平7)6月21日に羽田から函館へ向かうANA857便に乗って遭遇したハイジャック事件について触れました。乗客は口と目に粘着テープがはられましたが、加藤は、はがれた隙間から周囲の様子を見て、夫の藤本敏夫さんにトイレから「犯人は1人」などと状況を電話で報告。藤本さんはすぐに警察に連絡をしました。
「通路の下から見えたハイジャックの犯人の真っさらな白いスニーカーが今でも目に焼き付いてます。二度と忘れない」。
実は加藤は事件の少し前に高村薫さんの小説を読み終えたばかり。そこには、やはり白いスニーカーがトレードマークの刑事がキーマンの登場人物でいました。「だからすごく印象深かったのでしょうね。“白いスニーカー”をよく覚えていたんです」と説明しました。
犯人が7年の刑期を終えて出所した後、テレビ局から対談の打診があったことも明かしました。「ウエルカム。私は会いたいって言ってたんだけど…」。結局は実現しませんでした。
加藤は昨年に「『さ・か・さ』の学校」を出版し、常識や物事は逆さまに見たら面白いと説きました。今回は「『ま・さ・か』-」。そして次回作のタイトルについて「『にもかかわらず』の学校」を候補にあげました。理由について、不条理な現実が目の前にあっても理想を失わず「にもかかわらず」と前を向く姿勢の大切さをアピール。「いろいろある。でもそんなことにいちいち参っているわけにいかないでしょ」。常に前向きで、幸を呼びこむ磁場の強い加藤らしいネーミングです。【松本久】



