お笑いコンビ、アンジャシュの渡部建(53)がYouTubeチャンネル「渡部のサシ飲み」をスタートして1年3カ月がたった。現在の登録者は12万人超。一流の料理人、アスリート、そして芸人をゲストに呼んで、渡部が“ファン目線”で対談する。ゲストの豪華さから、ネットニュースに取り上げられることも多い。2020年に自らの女性問題で芸能活動休止を余儀なくされ、22年に活動再開。6年ぶりに日刊スポーツのインタビューに応じて、仕事、そして家族への思いを語った。【小谷野俊哉】
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「渡部のサシ飲み」について「最初は料理人の方で始めました。『一流のシェフは普段、何を食べてるんだろう』と。それで料理を志すきっかけだったり、何を食べているのかってことを紹介できないかと」と振り返る。
「そして思ったのは、予約困難店のトップシェフがインタビューを受けると、絶対に真面目な受け答えになっちゃう。それじゃ、彼らの魅力はあんまり伝わらない。僕は普段から関係値が深いので、素が出たらそのシェフの魅力が出ると思いました。それで飲食で働きたいと思う人も増えればばいいなとも。トップシェフが、普段はこういうカジュアルなものを食べているっていうのが最初のコンセプトです」
それがタレント、アスリート、経営者へと広がっていった。
「料理人から始めて、いろいろな他ジャンルの人を呼ぼうとなった。キャスティングと、対談するお店の仕込みは僕が全部やっています。野球の選手なんかは知ってる人から始めて、そこから広がっていった。本当に関係値のある人を、まずはお願いしたということですね。ちょうどWBCのタイミングで、近藤健介、吉田正尚といった出場選手も出てくれました」
野球関係は超一流がズラリとキャスティングされている。日刊スポーツ評論家も谷繁元信氏(55)、宮本慎也氏(55)、里崎智也氏(49)が出演している。
youtube「渡部のサシ飲み」。12万登録。
きっかけはスポンサーとなった育毛・発毛のチャットアップからオファーだった。
「YouTubeでは、もう1つ『アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組』があって、食べ歩きで街に出て行ってます。なるべく違うことをということで、話を聞く形式にしました」
“サシ飲み相手”は川越達也シェフ(53)、料亭「賛否両論」オーナー兼料理人の笠原将弘氏(53)といったテレビでもおなじみの料理人から広がっていった。「エンタの神様」の演出家五味一男氏(69)。フリーアナウンサー古舘伊知郎(71)、キングコング西野亮廣(45)と多彩な顔ぶれが並ぶ。
「人間性が出るような番組にしたい。カメラの前で、ちゃんとしたアナウンサーさんが行っちゃうと、真面目になってしまうので、それがもったいない。もっと魅力的なのに、チャーミングなのにな、それを伝えたいという感じですね。なので、料理のことを真剣に聞くのではなくて、その人となりが前面に出るようなことを目指しました」
アスリートは、個人的な友人関係から広がった。
「野球選手、スポーツ関係は、僕はアナウンサーでもなければ、それこそスポーツ記者でもない。1ファンなんですよね。だからこそ、多分聞けないことも聞けるし、くだけたことも聞ける。あんまり踏み込めないことも聞けちゃうって言うのが強みかなと思っています。オフィシャルなスポーツ番組のインタビューじゃないことをやりたいというのがイメージですかね」
収録は1時間半から2時間、カメラを回す。それで20分強の番組を2本に編集する。
「キングコング西野の場合は、Netflixの『罵倒村』で一緒になって、久しぶりに会いました。ちょうど料理人が一通り落ち着いたタイミングで、どうしようかってなった時で聞いてみたら『喜んで行きます』って言って来てもらって感じです。彼はもう、ビジネスマンでもあるし、エンターテイナーでもある。僕的には、すごくいい部分が出ているなという思いがありました」
川越シェフは13年に経営する店で「頼んでもいないミネラルウオーターで800円取られた」と炎上したことがあった。
「意外だったのは、川越シェフは、炎上して世間にたたかれた時のことを詳しく話してくれた。ちょっとメディアがあおったようなこともあったし、東京から長野に行って逃げていったようなイメージだったのが、女の子3人をちゃんと子育てしていると。彼は潔い性格なんで、もういいや、しょうがないって否定するのもっていうことでしたけど。『賛否両論』の笠原さんは、すごく大事なタイミングで奥さまを亡くされたとか。そういう話はデリケートじゃないですか。でも『サシ飲み』で語ってくれたっていうのは、すごく我々的には財産です」
心がけているのは、アナウンサー、記者、編集者だったら聞かないことを聞くこと。
「僕の特性として芸人であり、友達であり、ファンでもある。『あなたのファンだから、ちゃんと聞かせてよ』ってスタンスかもしれないですね」
料理人という枠から外れて、対談相手のジャンルは広がっている。
「スポーツ全般が好きなので、まだ出てないバスケの選手、サッカー選手もまだまだ出したいし、オフシーズンになったらメジャーリーガーも帰ってくる。料理人も引き続き、立て続きにミシュラン三つ星シェフが出るんです。あとは経営者系のかた。この間、ユーチューバーのきまぐれクックさんと撮影したんですけど、やっぱりyoutubeで成功してる方の話を聞くのはすごく楽しかった。僕が興味のある人たちをいっぱいキャスティングできたらなと思います」
(続く)
◆渡部建(わたべ・けん)1972年(昭47)9月23日、東京都生まれ。神奈川大在学中の93年、都立日野高の同級生だった児嶋一哉(53)に誘われてアンジャッシュ結成。94年デビュー。03年NHK「爆笑オンエアバトル」で第5回チャンピオン。17年4月に女優佐々木希と結婚。176センチ。血液型O。



