Mrs.GREEN APPLEがKアリーナ横浜で開催したエンターテインメントの祭典「CEREMONY」初日公演を取材する機会に恵まれた。

昨年初開催した、ライブやフェスとは異なる、ファッションや音楽、カルチャーが融合した新しいエンターテインメントショー。今年から2日間にわたって開催し、より豪華に、より大規模な祭典として行われた。

大森元貴(29)はライブ本番でもライブ前のカーペットイベントでも「このCEREMONYは、フェスでも対バンイベントでも授賞式でもございません」「音を楽しむと書いて音楽ということを再提示していきたい」と繰り返した。普段は各チャートや音楽賞などで競争し合う中、この場では普段の競争意識を忘れて、互いの音楽性やパフォーマンスを楽しみ、たたえ合おうという目的を何度も強調した。

ミセスの3人はそれを体現するように、アーティストのパフォーマンス中は立ち上がり、どの出演者やファンよりも盛り上がっていた。出演者もファンも、ミセスの3人の盛り上がりに呼応するように盛り上がり、さまざまなアーティストが入れ代わり立ち代わりパフォーマンスするショーの最も理想的な盛り上がりを見せていた。歌手のAIが歌唱した後には藤澤涼架(33)が感動のあまり涙ぐむなど、まさにボーダーレスに音楽を楽しむ至高のエンターテインメントショーだった。

その週末には「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」(MAJ)で2年連続となる最優秀アーティスト賞を受賞した。音楽分野の取材を主として行っている記者は生意気にも“音楽人5000人”の1人として投票権をいただき、各分野の投票をさせてもらった。

最優秀アーティスト賞は楽曲そのもの、ライブ等のイベント、ライブ演出と、MAJの主要部門の中でも判断材料が多い部門だった。それでも、ミセスは誰もが知っているキャッチーでポップな楽曲を次々と生み出し、全楽曲の合計再生回数は通算100億回を突破。ライブでは10万人ライブや初の5大ドームツアーを開催し、ド派手なステージセットや細部まで作り込まれた独創的な演出で日本中を魅了し続けるなど、昨年最も活躍したアーティストといえる要素が多数そろっていた。HANA、Fujii Kaze、米津玄師、サカナクションと名だたるアーティストがノミネートに名を連ねる中、世間の賛否は分かれ、さまざまな議論が起こったが、記者個人の感覚としては文句なしの選出だった。

MAJの授賞式では「音楽は元々ボーダーレスで、すごくグローバルなもの。胸を張って鳴らし続けてきたのが認められてすごくうれしい」と、「CEREMONY」で繰り返した思いに通ずる思いを口にしていた。受賞には敬意と感謝を示しつつ、音楽は競い合ったり順位をつけたりする以上に、自分たちが楽しむものという一貫した姿勢を感じ取れた。ミセスの音楽に対する思いや、シンプルに音楽を楽しむことの面白さをミセスをきっかけに感じた1週間になった。【野見山拓樹】