25日に左ほお陥没骨折、全身打撲などの大けがを負った歌舞伎俳優市川海老蔵(32)が28日、警視庁に被害届を提出し、受理された。警視庁は東京都港区西麻布2丁目のビルで、11階の外階段から下に複数の血痕を確認しており、暴行現場だったとみて、ビル内の飲食店関係者から事情を聴く方針。海老蔵は「知人の知り合いの暴走族を名乗る外国人風の、色の黒い男に殴られた」と説明しており、警視庁は、凶悪事件が専門の捜査1課が、本格的な捜査に乗り出した。

 海老蔵は前日27日まで、被害届の提出については「考えさせてください。事務所と相談して決めたい」と態度を保留していた。しかし、この日午後、入院している都内の病院で事情聴取を受け、その際に警視庁目黒署の捜査員に被害届を提出し、受理された。警視庁は届け出を受け、傷害容疑で捜査を始めた。警視庁は被害者が著名人で、相手が判明していないことなどから、所轄だけではなく捜査1課も担当するという。

 捜査1課は、殺人、強盗、暴行、傷害など、凶悪事件を捜査する。今回の事件では、暴行現場とみられる雑居ビルの実況見分や、外階段で見つかった血痕についてのDNA型鑑定を進めている。ビルのテナント関係者からも話を聞くなどして、海老蔵を殴った男の特定を急ぐ。

 海老蔵は24日深夜から東京・西麻布で歌舞伎関係者や芸能関係者らと飲食。その後、近くの何店かを移動するうちに、知り合った数人のグループとトラブルになり、「知人の知り合いの暴走族を名乗る外国人風の、色の黒い男に殴られた」という。左ほお骨の陥没骨折など全治約2カ月の重傷を負い、自宅に逃げる際には携帯電話を紛失したとみられる。今日29日午後に手術を受ける。

 入院中の都内の病院では、夫人の小林麻央が海老蔵に付き添っているが、報道陣の前に姿を見せることはなかった。都内の自宅には、30日からの舞台「吉例顔見世興行」を休演した京都・南座から、海老蔵の私物とみられる荷物が運び込まれた。

 [2010年11月29日7時32分

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