<第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞>

 第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛)が1日、決定した。監督賞には「十三人の刺客」の三池崇史監督(50)が選ばれた。授賞式は28日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われる。

 受賞の喜びについて尋ねると、三池監督はちょっと照れたような表情になった。

 「喜びより、戸惑いが先に来ます。インディーズ系の作品が多く、カルト監督として褒めていただくことばかりだったのに、こんな立派な賞をもらって」。

 47年前、片岡千恵蔵主演で公開された傑作時代劇「十三人の刺客」をリメーク。豪快なチャンバラを前面に出した。SMAP稲垣吾郎(36)演じる暴君が日刊スポーツ映画大賞では助演男優賞を獲得。監督賞以上に喜び、称賛の言葉を並べた。

 「SMAPの仕事と、映画の現場では、流れる時間が違う。撮影初日、短いシーンの撮影だけで出番を終えて『えっ、もう終わりですか?』って顔をしていた。でも『殿の気持ちはよく分かる』と言ってたし、オレよりずっと役を理解していたんじゃないかな」。

 47年前の名作は重圧でもあり、励みでもあった。

 「工藤栄一監督は亡くなってますが、きっと見てくれているはず。もし『やっぱりオレたちが作った方がよかったぞ』と思われても、それで前作の魅力が再認識されたということで、よかったのかなと」。

 徹底した娯楽路線で観客を沸かせた裏には、自分自身があらゆることを楽しむたくましさがあった。【三宅敏】

 [2010年12月2日8時50分

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