日本を代表するフォークグループ、アリスが来春、26年ぶりのオリジナルアルバムを発売し、来年5月には47都道府県ツアーを開始する方向で準備を進めていることが15日、分かった。メンバーの谷村新司(63)堀内孝雄(62)矢沢透(63)の平均年齢は、来年5月には63・7歳となるが、谷村は「それぞれの地で、『アリスの今』を感謝を込めて伝えたい」と意気込んでいる。

 アリスは、歩みを止めていなかった。87年の「アリスX(テン)」以来26年ぶりのオリジナルアルバム「アリスXI(イレブン)」をひっさげ、47都道府県ツアーに挑戦する。

 09年に28年ぶりの全国ツアーを行った際は、最終日の東京ドーム公演に、会場を埋める4万人のファンがつめかけた。当時も平均年齢が還暦を超えていることが話題となったが、さらに年齢を重ねた今回は、谷村は「堀内と矢沢が元気でいてくれることに、あらためて感謝です」と感慨深げ。74年に全国各地を飛び回って年間303ライブを達成した日々の情熱はそのままだ。

 「東日本の震災にあった街にも、さまざまな思い出と出会いがあります。東北はもちろん、思い出深い47都道府県それぞれの地で、『アリスの今』を感謝を込めて伝えたいです」

 堀内も言った。「47都道府県ツアーと聞いた時は、最初、『この年齢でむちゃするなぁ』とは思ったけど、苦労も3人で背負うわけだから大丈夫。昔のようにフォークギター2本両肩に背負って回るわけにはいかないけど、あのころと同じで『さぁ、ツアーが始まるぞ』という期待感でいっぱいです」。

 10年2月の東京ドーム公演以来、活動を停止しているが、メンバーはそれぞれソロで精力的に活動を続けている。今年でアーティスト活動40周年の谷村は9月19日にアルバム「NINE」を発売予定。同22日には「谷村新司40周年特別記念コンサート~40Vibration~」を大阪・万博記念公園で開催する。5月に新曲「笑うは薬」をリリースした堀内は今月22~26日にブラジル3都市での公演を予定しており、スキルの面では「ブランク」を感じることもなさそうだ。

 谷村は「2013年、アリスに再会することが元気と勇気を持つための1つの目標になってくれたら、何よりの喜びです」と笑顔で言った。準備が順調に進めば、日本全国に元気なアリスが帰ってくる。