マンスリーマカオ
伝説に基づくキリスト教儀式「パッソス聖体行列」
- 「十字架を背負ったキリスト像」が安置されている聖オーガスティン教会
ポルトガルの文化が息づくマカオにはキリスト教の行事・儀式が多く残っている。なかでも最も重要とされているのが、3月4、5日の2日間にわたって行われる「パッソス聖体行列」だ。
これは、聖オーガスティン教会に安置されている“十字架を背負ったキリスト像”を、紫色の衣装を身に纏った聖職者と教徒たちが担いでカテドラル(大堂)まで運び夜通し祈りを捧げた翌日、聖オーガスティン教会へ戻すという儀式。
「聖オーガスティン教会に安置されていたキリスト像をカテドラルに移したところ、翌日に元の場所に戻っていた」という伝説に基づいた16世紀から続く大切な儀式には、カトリック教徒だけでなく一般市民も参加して賑わう。それもまた、西洋文化が入り混じるマカオらしい風景のひとつだ。
生後7カ月の双子パンダ「健健&康康」がお目見え
- 一般公開される双子のパンダ・健健(ジェンジェン)と康康(カンカン)
昨年6月26日にマカオで初めて生まれた双子のパンダ、健健(ジェンジェン)と康康(カンカン)が、コロアンの石排灣郊野公園内にある「マカオパンダ館」にお目見え。生後7カ月となる2頭は、マカオの人々に見守られながらすくすくと成長中。
◆期間…1月28日~2月12日
◆開館時間…午前10時~午後1時、同2時~5時(それぞれ最終入館は閉館の15分前まで)
◆休館日…月曜(祝日の場合は開館、翌火曜休館)
◆入館料…10パタカ(併設する「希少動物館」と共通)
【世界遺産】日本と関係深い「聖ポール天主堂跡」
- 日本にもゆかりのある「聖ポール天主堂跡」
マカオのシンボル「聖ポール天主堂跡」は17世紀初頭に建設され、1835年に火事で崩壊した教会のファサード(正面壁)だ。現存するのはファサードのみのため、ときに「がっかりスポット」という不名誉な烙印(らくいん)を押されてしまうこともあるが、実は日本との関わりが深い場所だ。
天主堂の建設には、江戸幕府によるバテレン追放令(キリスト教弾圧の令)を受けてマカオへ渡った日本人キリシタンも携わっていた。ファサードをよく見ると、聖母マリアが7つの頭を持つ竜を踏みつけた彫刻がある。一説によると、竜はキリシタンに踏絵を強制した徳川家康を擬しているのだとも。
故郷を追われたキリシタンたちの切ない思いが刻まれたここは、私たち日本人にとってもかけがえのない遺産。「がっかり」などと言わずに、じっくりと時間をかけて訪れてみたい。
【芹沢コラム】店番、日向ぼっこ…猫好き垂涎の街
- マカオでは猫が店番をする?(撮影・芹沢和美)
マカオの下町や住宅街を歩いていると、いたるところで猫を目にする。早朝の「ロウリムイオック庭園」を散策すれば、南国の樹木や草花が茂るなか、大音量で曲を流しながら太極拳を練習する人々に交じって、猫たちが集会中。
問屋街の「十月初五日街」や古い港のある「内港」エリアを歩けば、乾物店の軒先でわが物顔で寝そべる猫に出会う。お日様で温まった石畳の上は、猫たちの最高の昼寝スポットだ。ふと屋根を見上げれば、くつろぐ猫が。野良猫なのか、飼い猫なのか。彼らは自由で気まま。道行く人たちも猫には優しく、ときには無関心で、それを見るたび穏やかなマカオらしい光景だなあと思う。
猫好きならきっと、心がくすぐられるような風景に何度も出会うはず。だからマカオでは、常にカメラが手放せない。