世界遺産めぐりに観劇、アトラクション体験、食の楽しみ…。マカオでの過ごし方は、バラエティーに富んでいます。さらにここ数年、新たなアイテムとして注目を集めているのが、「アート」。石畳が美しい通りの一角が創作活動の拠点として整備されていたり、ホテルのロビーにさりげなく巨匠の作品が飾られていたりと、街じゅうにアートがあふれているのです。4月28日からは「マカオ芸術祭」も開催。芸術の花が咲き乱れるコロニアルカラーの街を、散策してみませんか?【取材・構成 芹沢和美】

フォトジェニックな撮影スポット「仁慈堂婆仔屋」

 マカオのアートスポットは、美術館だけではない。街のそこかしこに、小さなギャラリーがあって、散策の途中にぶらりと立ち寄るのが楽しい。たとえば、石畳の通りにコロニアルカラーの家が並び、フォトジェニックな撮影スポットとして知られているラザロ地区。一角にある「仁慈堂婆仔屋」にはギャラリーがあり、旅行者も気軽に立ち寄ることができる。クリームイエローの外壁がかわいらしい建物は、200年以上前に建てられ、かつては福祉施設として利用されていたもの。旅先の美しい歴史建造物で体験するアートは、言葉が分からなくても十分に楽しめる。

 青空の下で心地よくアートに触れられるのが、ウオーターフロントエリアの何賢公園と宋玉生公園。緑の中に噴水や彫像が点在するここは、都心にありながら、アートと自然を同時に楽しめる場所だ。歩いて数分のところには、マカオ政府によるアートプロジェクトの一環として誕生した「マカオ・アートガーデン(住所:羅理基博士大馬路265號)」もある。「こんな場所にギャラリーが?」と思わせるような古いビルの中で展開されているのは、ユニークで斬新な現代アートだ。

上演プログラム30以上「マカオ芸術祭」4・28開幕

マカオ・アート・フェスティバルで上演が予定されている日本人アーティスト・梅田宏明のステージ
マカオ芸術祭で上演が予定されている日本人アーティスト・梅田宏明のステージ

 そんな街のいたるところでアートを感じるマカオがいっそう盛り上がるのが、4月28日から開催される毎年恒例の「マカオ芸術祭」。開催期間は1カ月におよび、演劇や音楽、サーカス、マルチメディアアートなど、上演プログラムは30以上にものぼる。開催場所は、マカオ文化センターを中心に、「ドン・ペドロ5世劇場」などの世界遺産からストリートまでと、まるで街全体が会場のようになる。参加アーティストは世界各国から集まり、今年は日本人アーティストも参加予定だ。本格的なアートイベントだが、政府主催のためチケットはリーズナブルで、なかには無料で鑑賞できるものも。アートが身近にあるマカオ。芸術をテーマに歩けば、一味違った楽しみが味わえそうだ。

【マカオ芸術祭】
◆期間…4月28日(金)~5月31日(水)
◆会場…マカオ内各所
◆チケット…市内のチケット売り場(ザ・ヴェネチアン・マカオ、サンズなど)で発売中。マカオ航空の搭乗券提示で20%の割引あり。