マカオが1年で最も華やぐ時期といえば、春節。ほかの中国圏と同様、マカオには旧暦で祝日を祝う習慣があるため、新暦の元日も祝日にはなっているものの、新年といえばあくまでも、旧正月なのです。2018年の春節は2月16日~18日。大みそかから学校も会社も連休に突入し、さまざまな行事が行われます。【取材・構成 芹沢和美】

大晦日は家族で夕食 新年は縁起担いで花や飾りを

 「恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)!」。そんな新年のあいさつが飛び交うマカオの春節(旧暦のお正月)。この春節こそ、マカオが1年で最も華やぐ時期だ。旧暦は毎年変わるため、春節の日にちも年によって異なる。2018年は、2月16日~18日。大みそかの15日には家族そろって夕食を囲み、23時を過ぎると、世界遺産の「媽閣廟」など各地の中国寺院が初詣の人たちでにぎわい始める。

 新年は、各家庭やオフィスに花が飾られる。これも縁起担ぎで、花が開いて富が来る「花開富貴」という言葉にあやかったもの。レストランのエントランスには、幸運を招くといわれるダイダイのお正月飾りも登場する。

 もちろん、日本のおせち料理に相当する春節ならではの料理もある。定番の食材のひとつが、髪菜という藻の一種。発音が「お金がもうかる」という意味の「發財(ファッチョイ)」に似ていることから好まれているという。蠔豉(乾燥させたカキ)は好景気を表す「好市(ホウシー)」に似ているから、一緒に煮込んだ「髪菜蠔豉」は、めでたいことこのうえない。

沖縄のエイサー参加 パレードでお祝いムード一色

春節(旧正月)パレードの様子

春節に飛び交うのは、利是(ライシー)と呼ばれるお年玉袋だ。お年玉といっても、日本のように、子どもたちだけのものではない。上司が部下に、既婚者が未婚者に配るのが習慣となっていて、常連客がレストランのスタッフに配ることも。そのため、相場は20パタカほどと小額だが、配る量は必然的に多くなる。この時期に出かけるときは、誰もが懐にたくさんの利是袋を忍ばせているのだとか。

旅行者にとっての楽しみは、マカオ政府観光局主催の春節パレードだ。毎年、国内外から多くのパフォーマーが参加するこのパレード。2018年、日本からは沖縄のエイサーグループ「レキオス」が参加する予定だ。

マカオがお祝いムード一色に彩られる春節。この時期に旅すれば、楽しいだけではなく、縁起のいい空気もたっぷりと浴びられることだろう。