真夏にマカオを旅行する人たちが悩まされるのが、暑さ。日本と同様、日中は気温が30度以上になり、湿気も高いことから、日中の街歩きは体力を消費してしまいます。でも、「過ごし方」さえ工夫すれば、真夏のマカオでも、快適に旅を楽しむことができるのです。ちょっと早起きして朝の散策、昼はホテルでのんびり、夜は美しい夜景散歩へ―。そんな1日の過ごし方をご紹介しましょう。こんな旅ができるのも、治安がよく、施設が整ったマカオならではなのです。【取材・構成 芹沢和美】

早起きして名所を散策 飲茶屋で朝食はいかが?

朝食におすすめ「龍華茶樓」の飲茶(ヤムチャ)
朝食におすすめ「龍華茶樓」の飲茶(ヤムチャ)

 半島部にある「ロウリムイオック庭園」は、朝から地元の人たちで活気づく散歩スポット。池や竹林、奇岩をあしらった緑豊かな蘇州式回遊庭園の朝は、みずみずしくて気持ちがいい。散策中に出会うのは、思い思いに朝を楽しむ人々だ。太極拳を練習するグループや、二胡を奏でながら歌う人、中国将棋に興じる男性グループなど、街の素顔に触れることができる。

 ここから歩いて15分ほどの「カモンエス公園」は、雰囲気が少し変わって西洋風。なだらかな小高い丘に、巨木が生い茂る散歩道や洞窟、噴水、中国の珠海を見渡せる見晴らし台などがある。ここも、絶好の散策場所。木陰で朝からおしゃべりに興じていたり、ジョギングをしている人たちに出会うだろう。

 ひとしきり歩いたらおなかもペコペコだ。昔ながらの飲茶(ヤムチャ)屋で点心を食べるのも、マカオの朝の楽しみ。中国式の朝食を体験するのなら、「紅街市」に隣接する老舗の飲茶(ヤムチャ)専門店、「龍華茶樓」へ。古きよき時代の面影を残すここは、外国人旅行者にも親切で利用しやすい。洋食派は、中心部にある「カフェ・イ・ナタ」でサンドイッチを。ここはエッグタルトで有名な店だが、地元の人たちには、パンと具材を選べるサンドイッチが人気だ。

昼はプールでのんびり 夜は夜景スポットを散策

 朝の散歩を終えたら、そろそろ気温も高くなる頃。日中は、ホテルのプールサイドでのんびり過ごすのも、夏の醍醐味(だいごみ)だ。プールは宿泊客限定となっているケースが多いが、コタイにある「ザ・パリジャン・マカオ」のアクア・ワールドのように、宿泊客以外でも有料で利用できるホテルもある。

 夜は、ぜひ夜景散策へと出かけてみよう。湖面に映るマカオタワーが美しい西湾湖の遊歩道、マカオ・タイパ橋とマカオタワー、西湾大橋が連なる絶景を望む南湾湖沿いのウオーターフロントエリアなど、マカオには夜景スポットがたくさんある。夜景を眺めるオープントップバスもファミリーに人気だ。大人だけの旅なら、中心部に建つAIAタワー最上階にあるオープンテラスバー「スカイ21」でグラスを傾けるのもいい。マカオは、日没を迎えても、楽しみはまだまだ終わらないのだ。