花火のシーズンを迎えた日本。マカオでも毎年、盛大な花火大会が開催されています。10カ国から参加する花火師チームが技と美を競い合う「マカオ国際花火コンテスト」は、世界各国に数ある花火大会のなかでも、最高レベルと評価されるイベント。昨年は、日本のチームも参加し、みごとに優勝を果たしました。第29回目を迎える17年の開催は、9月2日~10月1日(計5回)。夜空を染める美しい花火と音楽の競演は、日本の花火大会とはまた違った風情があって、見応えもたっぷりです。【取材・構成 芹沢和美】

BGMとレーザーショーで彩る大迫力の花火コンペ

文化遺産として残されている旧爆竹工場
文化遺産として残されている旧爆竹工場

 「マカオ国際花火コンテスト」は、マカオでもっともメジャーなイベントのひとつ。毎年9月の土曜日と、10月1日の国慶節までの1カ月にわたり、マカオタワー正面の海上で開催されている。

 この大会が日本の花火大会と大きく異なる点が2つ。ひとつは、各国から参加したチームが腕を競い合うコンペティション形式であること。もうひとつは、花火だけでなく、BGMとレーザーショーで競うということだ。眺めも音も大迫力で楽しめる花火は、ドラマチックで感動的だ。

 ところで、現代は花火で話題を集めるマカオだが、かつては爆竹が暮らしの中にあった。爆竹の生産は主要産業のひとつで、そのあかしもタイパに残されている。「益隆炮竹廠跡地」は、1950年代まで多くの人が働いていた旧爆竹工場。ほかの工場が壊されてしまったなか、ここは貴重な文化遺産として残され、当時の様子を展示した博物館として一般公開されている。住宅街にひっそりと残るレトロな建物は、どこかノスタルジックで、思わずカメラを向けたくなるたたずまいだ。

マカオタワー1階のブッフェレストランが特等席!

 さて、話を花火に戻そう。「マカオ国際花火コンテスト」に出場するのは、世界10カ国から集まった腕利きのチーム。各日、2チームずつが花火を打ち上げ、腕を競い合う。今年は、ポルトガル、イギリス、フランス、オーストリア、ドイツ、イタリア、オーストラリア、フィリピン、中国、日本が参加予定。日本チームが手がける花火は、9月16日(土)午後9時に打ち上がる予定だ。

 花火が打ち上がるのは、マカオタワー前の海上。眺めも音も大迫力で楽しめる特等席が、海沿いに立つマカオタワー1階のブッフェレストランだ。このほか、南湾湖沿いの遊歩道で水辺の景色とともに楽しんだり、西湾湖沿いのホテルの部屋やバーから静かに眺めたりと、楽しみ方はさまざま。今年の開催は9月2日(土)、9日(土)、16日(土)、23日(土)、10月1日(日)。マカオの初秋を彩る花火を、多くの人が心待ちにしている。