年間を通して多くの恒例行事が開催されているマカオ。1年最後のイベントとなるのが、今年で36回目を迎える「マカオ国際マラソン」です。初心者から上級者まで幅広い層に人気を集めるこの大会がスタートしたのは、1981年。以来、年々参加者を増やし、コースの変更も行われながら今年にいたっています。12月初旬のマカオの平均気温は16.5度と、マラソンには最適なベストシーズン。同日に盛大なパレードも行われ、街は大いに盛り上がります。【取材・構成 芹沢和美】

一流アスリートばり歓声!?景色が変わる醍醐味も

「マカオ・ライト・フェスティバル」の3Dマッピング

 世界中にさまざまな市民マラソンがあるが、マカオ国際マラソンほど、日本人ランナーが快適に走れる大会はないのではないだろうか。その理由には、時差が1時間と少なく直行便もあるため体に負担がかからないこと、大会が行われる12月第1日曜日(今年は12月3日)の平均気温がランに適していることなどがあげられる。だが、ランナーにとってなにより気持ちがいいのは、すべての種目(フル、ハーフ、ミニマラソン)において、スタートとゴール地点がスタジアムであるということかもしれない。歓声を受けながらトラックを走りゴールするのは、一流アスリートになった気分でなんとも爽快だ。

 フルマラソンとハーフマラソンは、次々と景色が変わるのも醍醐味(だいごみ)のひとつ。グランドリスボアを前方に眺めるマカオタイパ大橋、高さ338メートルのマカオタワー、世界遺産の媽閣廟、西湾大橋など、マカオのシンボルを走りながら眺めることができる。一方のミニマラソン(5.5キロ)は、走った後に時間も体力もたっぷり残されているため、ランよりも観光をメインにしたい人たちに人気があるようだ。

昼はパレード、夜はライトフェス!盛り上がり必至

マラソン当日に行われる大迫力の「マカオ国際パレード」

 世界中からランナーが集うこの国際マラソンをさらに盛り上げているのが、当日の午後4時から行われる「マカオ国際パレード」だ。聖ポール天主堂跡をスタートし、ラザロ地区を通って、コロニアル調の建物が並ぶ塔石広場まで続くパレードは大迫力。

 走って、観光して、パレードを見た後も、まだまだお祭り気分は尽きることがない。日没後の楽しみは、3Dマッピングや光のインスタレーションで彩られる「マカオ・ライト・フェスティバル」。マラソン大会当日の12月3日(日)から31日(日)まで開催され、今年は聖ポール天主堂跡や聖アントニオ教会、セナド広場、そしてラザロ地区やタイパ地区までエリアを拡大し、夜のマカオが彩られる。

 マラソン大会というよりも、もはや一大フェスティバルともいえる、マカオ国際マラソン。申し込み枠は昨年よりも2000人増の1万2000人となり、今年も多いに盛り上がることが予想されている。