1年で最も重要で大きな季節行事、春節(今年は1月28日)を過ぎても、マカオのにぎわいは衰えることがありません。さまざまなイベントに加え、今年は故ザハ・ハディドさん(日本の新国立競技場の当初案をデザインした建築家)が設計したホテルのオープンも予定され、話題を集めています。昨年は福岡からの直行便も就航、東洋と西洋の文化が入り交じるマカオは、気軽に足を延ばせる旅先となりました。そんなこの街の魅力を、マカオを愛してやまないトラベルライター、芹沢和美がお伝えしていきます。

ファミリー向けサービス&キッズ向け施設が充実

遊び心あふれる「キッズクラブ」の子供用ヘアサロン
遊び心あふれる「キッズクラブ」の子供用ヘアサロン

 「マカオといえばカジノ」。そんな印象もあるかもしれないが、今やそれも昔の話。この10年ほどの間に、IR(統合型リゾート)と呼ばれる、ホテルやカジノ、ショッピングモール、シアターなどが一体化した観光施設が続々と登場。南国の植物が生い茂る中に世界最大級の流れるプールや人工ビーチを配した「ギャラクシー・マカオ」など、リゾート感をたっぷり楽しめる施設も大人気だ。昨年は「ザ・パリジャン・マカオ」と「ウィン・パレス」もオープンし、マカオは成熟したエンターテインメントシティーとなった。

 エンタメの街マカオとしての特徴といえば、ファミリー向けのサービスやキッズ向けの施設が充実していること。「ザ・ヴェネチアン・マカオ」の「キューブ」、「シティ・オブ・ドリームズ」の「キッズ・シティ」、「JWマリオット」の「JWキッズクラブ」は、子どもが遊べるプレーグラウンドとしてファミリー層に大好評。なかには、シアターやキッズ専用のヘアサロンを併設しているところもあり、1日いても飽きることがない。

 施設だけでなく客室にも、家族連れを喜ばせるものがある。「シェラトン・マカオ・ホテル・コタイセントラル」は、大人用ベッドルームと子ども用ベッドルームのコネクティングルームからなる「ファミリー・スイート」を用意。子ども用ベッドルームには、「ドリームワークス」の人気キャラクター柄のクッションを置いたカラフルな2段ベッドと、DVDやゲームを置いたプレーエリアのほか、キッズサイズのバスローブやスリッパも完備するなど、子どもをワクワクさせる仕掛けが随所にちりばめられている。

ポルトガル&広東料理にミシュラン星付き料理店

バラエティ豊かなマカオ料理
バラエティ豊かなマカオ料理

 もちろん、大人にとって欠かせない食の楽しみも、マカオは期待を裏切らない。本格的なポルトガル料理に広東料理、大航海時代から引き継がれるマカオ料理など、グルメはバラエティー豊か。レストランも、家庭的な食堂からミシュラン星付きのダイニングまでさまざまな選択肢がある。「おいしいものを食べにゆく」という旅の動機も、この街なら十分にあり。マカオへは、お腹を空かせていくことをおすすめする。