公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が4日、大阪市の関西将棋会館で指された王将戦1次予選決勝で菅井竜也七段(25)に敗れた。2次予選進出を逃し、公式戦通算3敗目(34勝)を喫した。

 大きな壁が立ちはだかった。終局後、藤井は「途中から一直線の展開で、はっきり負けにしてしまった。本局は完敗です」と肩を落とした。これまでの最強といっていい相手だった。菅井は今期の王位戦7番勝負の挑戦者で、第2局を終え7連覇を目指す羽生善治王位(46)に2連勝とリードしている。藤井は序盤から果敢に仕掛けたが、強豪の鋭い攻めに一気に押し切られた。トッププロの実力を見せつけられた15歳は「踏み込まれて、読みの精度が低かったかもしれない」と反省を口にした。

 王将戦敗退が決まり、将棋の8大タイトルで、本年度中に獲得の可能性があるタイトルは「棋王」のみ。それでも立ち止まることはない。中学最後の夏休みは、将棋の研究に没頭している。この夏の課題は「読みの精度を上げること」。壁を乗り越えるための新たな課題が見つかった。【松浦隆司】