立憲民主党の菅直人元首相(71)が22日、衆院選の東京18区で13回目の当選を果たした。長年のライバルである自民候補の土屋正忠氏(75)との「土菅(どかん)戦争」でも勝ち越しを決め、支援者らに迎えられた事務所では、何度も拳を突き上げた。

 当選確実が報じられたのは午前0時前。約30人の支援者らの集まる事務所に姿をみせると、「大勢の皆さんが力を合わせて、この一議席をとった。それが何よりもうれしいです」とあいさつ。支援者ひとりひとりと握手を交わした。

 接戦となった土屋氏とはこれまで国政選挙で4度対戦し、2勝2敗だった。3年前の前回衆院選では土屋氏に敗れ、翌日未明に滑り込みでの比例復活で当選していた。久々の小選挙区での勝利の感想を聞かれ「私が勝つことで、少なくとももう1人、比例で仲間が当選できる。これまでの2回は私が仲間の議席を分けてもらっていましたから、その中では(今回の結果は)うれしい」。

 20日の武蔵野市内の駅前での演説では「小選挙区で勝たせてほしい」「小選挙区で」と、リベンジへの強い気持ちを訴えていた。土屋氏との戦いについては「土屋さんとはこれまで4度戦い、ある意味で最終戦だという意気込みを持っていた。ギリギリのデッドヒートで勝てたのは、多くのみなさんのおかげ。土屋さんとの長年のライバル関係の中でも、特にうれしいですね」と笑顔をみせた。

 希望の党の小池百合子代表の「排除」発言を受け、枝野氏が立ち上げた立憲に合流。今月1日の武蔵野市長選では、自身が推す松下玲子氏が自民候補にダブルスコアで初当選。これを追い風に厳しい選挙を戦い抜いた。

 菅氏は勝因に「市民連合の動きと野党の統一、そして立憲民主党の結成」の2つを挙げた。「立憲民主党の政策の主張は、私にとって自信を持って訴えることができるものだった。なかなか私の意見を党の意見として言えなかったが、立憲民主党では私の意見と全く同じものを掲げてくださったし、安全保障でも私の考えていることと、ほぼ同じ考えでした。そういう意味では非常に戦いやすかった」。

 今後については「ずっと言ってきた原発ゼロ。これは必ず、私の目が黒いうちに実現させたいことです。それに加え、やはり新しい政党に力を注ぎ、枝野代表を支えていきたい」と力を込めた。