沖縄県の米軍基地問題について特集した東京MXテレビの番組「ニュース女子」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は14日、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を同局に提出した。川端和治委員長は記者会見で「当然、裏付けがなされていないといけない、番組の中核をなす部分の裏付けがない、十分ではないと結論付けた」と話した。

 問題となっているのは、今年1月2日に放送された情報バラエティー番組「ニュース女子」。沖縄県の米軍ヘリパッド建設への反対運動について特集し、「参加している人は日当を得ている疑いがある」、「反対派が現場に出動した救急車を止めた」などと報じていた。放送直後から「事実に基づかない」、「差別的表現が含まれている」などと批判や抗議の声が上がっていた。

 BPOは、沖縄県での現地調査で当該団体などへの聞き取りを行った。日当についての裏付けは確認されず、消防車が妨害されたという事実も報告されなかった。番組は局外の制作会社によって作られたものだが、同局や制作会社が取材などで裏付けをした形跡も見られなかったという。

 BPOはこれらの結果から、東京MXの考査が適正に行われず、放送責任が果たされていないと結論付けた。

 東京MXはBPOに対し、「事実関係において捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法及び放送基準に沿った制作内容であったと判断している」などと主張する一方、「適法に活動されている方々に関して誤解を生じさせる余地があったことは否めず、当社として遺憾と考えている」と報告している。