交際女性などを演じる接客サービス「レンタル彼女」の求人だと偽り、応募してきた女性を性風俗店に紹介したとして、大阪府警保安課は9日、職業安定法違反(有害業務紹介、虚偽広告)の疑いで大阪市の職業紹介会社「レック・インターナショナル」代表、草開(くさびらき)幸一郎容疑者(36)ら4人を逮捕した。

 同課によると、レック社は「日本彼女代行センター」という虚偽の求人サイトを運営。時給は3500円からスタートし、例として新人の「レンタル彼女」が学校終わりの夕方から4時間、ディナーデートした場合、3500円×4時間+指名料(2000円)で1万6000円、休日に8時間の浴衣デートの場合は3万3000円が稼げ、デートなどの際は性的サービスのほか、手をつなぐことも禁止すると説明していた。

 逮捕容疑は昨年1月、同サイトを通じ応募してきた20代女性と大阪市内で面接。「レンタル彼女の仕事はほとんどない。少し性的なサービスがあるほうがもっと稼げる」などと執拗(しつよう)に誘い、ホテル派遣型ヘルス店の仕事を紹介した疑い。

 性風俗店などに紹介した女性は数百人に上るとみられ、同課は意に反する仕事をさせていた可能性があるとみて調べる。捜査関係者は「NOと言えず、なし崩し的に勤めていた女性もいた」とした。レック社は性風俗店から女性の紹介料を得ていた。昨年5月に府警に情報提供があり、11月に同社を家宅捜索していた。

 レンタル彼女は、男性の元に交際相手を演じる女性を派遣してデートさせるサービスで、近年全国で増えてきている。ネット上では「女性との会話の練習に」などとうたう業者もある。

 ◆「レンタル彼女」の海外事情 中国やベトナムでも“恋人レンタル業”のビジネスがある。日本の事情とは異なり、結婚相手がいるかどうか心配する親に「彼女」を見せて安心させたいという思いが強いという。旧正月や実家に帰省する時などに独身男性が彼女役の同伴女性を一時的にレンタルする。